きれいなルビィの心臓だね

中庭に紅玉色の瞳の少年が佇んでいる。

白のセーラー服は、僕たちと同じだ。誰かに似ているような気がしたけれど、思い出せなかった。僕の核は半分壊れていて、記憶をつなぎとめることができない。

「君、どこからきたの」

真昼を照らす洋燈のあかりが揺れる。

「……夜の底」

「きれいなルビィの心臓だね」


2022/6/23

星満つるギムナジウム

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る