これは、いつもしていることなのだろうか。僕には、記憶がない

あたたかな手が僕の髪に触れ、そうと頭を撫でる。

やさしい榛の瞳にうつる僕は、ずいぶんと呆けた顔をしていた。これは、いつもしていることなのだろうか。僕には、記憶がない。

「どうしたの」

兄さんはほんの少し驚いた様子で僕の睛を見ていた。

「触れさせてくれるとは、思わなかった。今日は素直だな」


2022/6/24

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