腕の中のぬくもりは、いつか離れていくものだと、理解していたはずだった

腕の中のぬくもりは、いつか離れていくものだと、理解していたはずだった。時の流れは誰にでも平等で、彼が鳥かごから羽ばたく日を見ることは、おそらくかなわないだろう。

(先に飛び立つのは、僕の方だ)

壁の向こうにある世界は、希望に満ちているだろうか。

(……君にとって、優しい世界だといいな)


2022/5/29

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