月の光が宿る瞳から、ほろほろと白銀の粒子がこぼれおちた

月の光が宿る瞳から、ほろほろと白銀の粒子がこぼれおちた。白衣を纏った研究員たちが少年のかけらを淡青色の小瓶におさめる。主治医曰く、あれは本物の月の一部となるという。少年は外の世界も知らず、内に巣食う月と戯れていた。

「君なら此処にいるのにね。誰にもみえないんだ。こんなに綺麗なのに」


2022/5/24

月喰少年

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る