いつも傍にいてくれた君のぬくもりを忘れかけていた

いつも傍にいてくれた君のぬくもりを忘れかけていた。洋燈のあかりはぼんやりと揺らめいて、君の輪郭を曖昧に隠してしまう。おだやかな声も、指先のうつくしさも、てのひらのあたたかさも、すべて、闇の底に溶けて、消えていく。僕の記憶装置は限界に近づいている。君の名前すら、今は思い出せない。


2022/5/12

星満つるギムナジウム

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