機械人形の指先が金紅石のかけらを拾い上げる

ちかちかと星がまたたいていた。機械人形の指先が金紅石のかけらを拾い上げる。

「……僕の心臓」

「ルチルは違うみたいだ」

ゼフィルスの手が人形の頭を撫でる。

「鉱玉船の燃料に使えるかもしれない。少し集めようか」

天然の鉱玉は貴重だ。ラグ・ドールは主の真似事をして、ちいさな欠片を小箱に収めた。


2022/3/13

鉱玉標本録

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