火照る肌にふれる指先はひんやりとして冷たい

火照る肌にふれる指先はひんやりとして冷たい。僕の内に巣食う熱を吸い取るかのように、ずうっと手首をにぎっている。

目覚めたときには、痕跡すら残っていない。

父は多忙で滅多に家に帰らない。

兄はひどく無口で、僕と目を合わせようとしなかった。

あのやさしいぬくもりが誰のものなのか思い出せない。


2022/2/7

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