その星は終焉に近づいていた。もうじき、月のかけらが降ってくる

その星は終焉に近づいていた。もうじき、月のかけらが降ってくる。選定の刻はおわり、人類はねむりを待つばかりだ。

ひとりの人形師が紫水晶の柩をあける。核を失った機械人形が眠り続けていた。

世界を救う術を識る最後の一体だ。

「僕には世界の命運なんてわからないけれど、君の声を聞いてみたいんだ」


2022/1/29

鉱玉標本録


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