少年の日記 D


僕らの仲間の首を一人、切り落とすと、美織ちゃんは、それを机の上におきました。

こわがる人たちが、たくさんいました。でも、美織ちゃんは、とても気丈で、手を打って、身体を揺らして、笑って言いました。


「大丈夫よ。首を落とすと、四秒しか意識を保てないんだって……だからね、この子はすぐに死ねたの。だから何にも酷いことじゃないのよ。そんなことより、殺される前に、死んで見せて、私たちが大人より上ってことを、見せてあげましょうよ」


断るなら、次に死ぬのはその人ね、と美織ちゃんが言うと、みんながこぞって美織ちゃんをほめました。

でも、美織ちゃんを一番わかってるのは、僕だと思います。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る