第10話 犬神様の謎
「こんな所で寝てたら風邪ひくよ」
誰かにそう言われて目を覚ますと犬神様が困った顔で尻尾をぱたぱたしてた。
「…あんたが言ったの?」
犬神様は困った顔を傾げた。
「まあ、言っても不思議ではなさそうだけど…」
気がついたら眠っていたようだった。
「まあ一応神様らしいからねえ、あんた」
犬神様の頭を撫でてそう言った。
「そう言えば、あんたは私の小さい事を覚えているのかな?」
犬種は違えど柴犬姿の頃と同じ中身のはずなのだ。多分。
「あーおう」
犬神様はそう吠えたが、なんか肯定でも否定でもなさそうに聞こえた。
「…あんまり気にしてなさそうだね君は」
この人間が自分の世話をしてくれる、という以外はあまり感心はなさそうだ。
「マイペースな神様だ」
私は犬神様の口元を引っ張ってそう言ってみた。
「あうあう」
犬神様は特に抵抗もせず困った顔のままへっへと息を吐いていた。
「まあよろしく頼むよ犬神様」
そう言って犬神様を抱きしめた。犬神様はそのまま抱きしめられ続けた。
「さて寝るか」
そういうと犬神様も理解したかのように舌でぺろりと私の顔を舐めた。
これが平日の私と犬神様の生活である。
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