ホモだから姫の専属騎士になれたけど、そもそも俺はホモではない
一般決闘者
姫の湯浴みでちんこ勃ってしもうた
馬鹿すぎる話を息抜きで書きました
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姫の専属騎士には、本来、女騎士が就くのが慣例である。
なぜなら、専属騎士とはいついかなる時も姫から目を離してはいけないからだ。それは寝る時も、シャワーを浴びる時も、トイレに行く時ですら例外ではない。
必然的に、専属騎士は男である時点でまず弾かれる。だが、不本意にも、男の俺が専属騎士に抜擢されてしまったのだ。ホモだという、不名誉極まりないレッテルによって。
妙な噂によってホモにされていたが、断じて俺はホモではない。
だがしかし、姫殿下の専属騎士のオファーを断れば、王族侮辱の刑で俺の首は飛ぶ。故に俺は、一生童貞であることが義務付けられることとなった。男相手に童貞を捨てられるかは、知りたくもない。
王族の専属騎士ともなれば名誉極まりない職業であり、羨望の眼差しを向けられる。その上、姫の専属騎士が男ということもあって、俺の顔はすでにそこら中に知れ渡っている。仮に童貞を失えば、どこからか話が漏れて次の日にはやはり首が飛ぶことになるだろう。
ホモじゃないやつが専属騎士になっているなど、あってはならないのである。
「やっぱり、1日の終わりは暖かいシャワーに限りますわね」
現在、一糸まとわぬ姫がシャワーを頭から浴びながら、腕や足、体までもを、湯浴み着姿の若いメイドに洗わせている。
王国始まって以来の美姫と噂される彼女は、若干15歳。女らしさがはっきりと表れ始める年ごろの姫の裸体は、まるで芸術作品を想起させるほどに美しい。神秘をまとわせているかのように、彼女の周りはきらきらと光ってる錯覚さえ覚える。
姫の専属騎士に選ばれて、今日で3ヶ月目。俺は姫の湯浴みに立ち会うことになった。
何を言っているかわからないと思うが、俺も何を言われたのか分からなかった。
なんでも、姫の新しい専属メイド見習いが、姫に危害を加えないように見張れとの命令。風呂場で鎧を装備しているわけにもいかず、今の俺は褌を一丁履いて、鞘に納められた剣を一本背負っている。
護衛対象から目を逸らすことなど許されるわけもなく、されど、ここから離れることも許されない。まさに八方塞がり。健全で健康な俺の体は、この状況で興奮しないわけもなく。
ちんこ勃ってしもうた。
「ゲイル殿、きちんと見張っていてくださいね」
俺の背後に立つ、老婆とも言える歳の、湯浴み着姿のメイドが言った。彼女は現在の姫の専属メイド。定年のため退職することが決まり、今は教育を兼ねて仕事の引き継ぎをしている真っ最中である。
姫の湯浴みで勃起したなどバレたが最後、俺の首は物理的に飛ぶ。しかし目を逸らせばそれはそれで別の問題が生まれ、最悪は、やはり俺の首が飛ぶ。軽すぎる俺の首に、頭を抱えざるを得ない。そうしないとぽろっとどこかに転がっていく。それはもう紙風船のようにふわっふわと飛んでいくだろう。
首が惜しい俺は、「はい」と返事をすることしかできない。
「綺麗になりました」
そう言って、メイド見習いがこちらに振り返った。
瞬間、俺は背中の剣を鞘ごと抜いて前に構えると、床に突き立て、その上に両手を置いた。この時、メイドから見て股間が死角となるように微調整することを忘れない。
石でできた床はかつんっと軽い音を鳴らすが、加減したので割れることはない。
「ど、どうかされましたか、ゲイル殿!」
老メイドが慌てたように声をあげる。そりゃあ、鞘に納めたままとはいえ、護衛が唐突に剣を抜けば驚きもするだろう。しかし、案ずるなかれ。これは俺自身の身を守るための行為。
―――メイドに勃起を見られたら首が飛ぶ。
「身を清めたら、次は湯につかっていただくのが普通でしょう。姫が風邪をひいてしまう。あなたの訓練は二の次です。違いますか?」
「っ! し、失礼しました!」
若いメイドは俺の言葉に恥じ入るように、そう返事をする。
ごめんなさい、すみません。ちんこ見せたくなかっただけなんです。
姫は一連の騒ぎに少しだけ視線をこちらに向けるが、体が冷えるのか肩を震わせると、温泉へと足を運ぶ。そうしてメイドに手を借りながら湯に足をつけたその直後、姫は「ふぁあ」と色っぽい声をあげる。
………ぴくん、と俺のちんこが反応してしまった。
不意打ちはやめてよ、俺の首飛ぶじゃん。
ホモだから姫の専属騎士になれたけど、そもそも俺はホモではない 一般決闘者 @kagenora
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