第5話
「うーーーん、夜風に当たったら少し酔い醒めた!今日は付き合ってくれてありがとう、楽しかったまた飯いこうね!」
ご機嫌に隣を歩く
「そうだね、次は私が奢れるように貯めとくね」
「そんなんいいのに〜〜!!期待しとく!」
このノリの良さとこの顔立ちで彼女がいない、という話はにわかに信じられない。一途に思っている話を聞いても、女性関係の噂を聞かないあたりも逢瀬 世界は誠実なんだろうなと思う。
「あ、雫ってここから電車使う?」
「ううん、私は歩いて帰れる距離だよ」
「俺も!どっち?家まで送るよ、夜も遅くて危ないし。まだ話したいし。」
「それは悪いよ、もう少し肌寒いし風邪ひくよ」
「いーの!こっち?」
「そう、だけど。」
「俺もこっちだから丁度じゃん!行こ!」
多少強引の逢瀬 世界に軽く引きながら私は少し追いかけるように隣を歩く。
「なんかさ〜酔っ払って喋りすぎたなー!って思ったんだけど雫が話聞いてくれてよかった」
「それならよかったよ」
「うん!」と返事をしてから少し逢瀬 世界は少し考えるような仕草をして私の顔を覗き込んできた。
「なに?どうしたの?」
「雫って広く浅くのイメージがすごいから聞くんだけど恋人とか親友!って人いる?」
またこの質問だ。
「うーーん、恋人はいないけど親友とかそこらへんはどうなんだろうね」
と、私は苦笑いで返すしか無かった。いないよなんて胸を張って言えることではないから。
「雫の考えてることとか思ってること、俺はいつでも聞くからね!」
「優しいね、ありがとう」
「いーえ!」と笑った逢瀬 世界は街灯に照らされてキラキラして見えた。この人のことを好きだな、と思ってしまった。
世界を知りたい 岩田 美緒 @571219
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