第4話
「でさ〜、
居酒屋に入って1時間私はソフトドリンクを飲み、
「でもまあ、1番かは置いておいてだけど近くで見てたのは確かだよね。」
「そう!そうなんだよ、でも優子は高校の頃から片想いしてたんだって。あー!狡い俺が知らない優子を見てきたくせにこれからも見るんだもんな、いいよな〜!!」
「拗らせてんね…、すみませんお水ください。」
とんでもなく喋る逢瀬 世界は大丈夫なのだろうか、明日も仕事だよ。と思いながら近くを通った店員さんに水を頼む。「かしこまりました!」ととても元気に返事をしてくれた店員さんに頭を少し下げる。
「その相手がどんなやつかも気になるけど優子が選んだんならいい人だろうな、悔しい」
我慢していたのか逢瀬 世界は泣き始めた。忙しい人だな。
「そうだねえ、これ使って。鼻かんだりしたら怒るからね。」
かばんからハンカチを取り出して逢瀬 世界に渡した。
「ありがとう、
突然の第一印象に戸惑いを隠せない。確かにある。髪を染めていたので見た目が派手でも許される仕事を死にものぐるいで探した記憶も、無理難題書類の量を押し付けられている人を見て文句を言ったことも。オフィスで言い合いをしたからみんな知ってはいるが逢瀬 世界がそんなことを覚えているなんて恥ずかしい。「失礼します、こちらお水お持ち致しました!」先程の元気な店員さんが水を持って来てくれ、「ありがとうございます」と頭を下げた。
「よくそんなこと覚えてるね、恥ずかしい。でもなんかそこからちょっと人から遠巻きから見られてる節あるしなんか複雑かも。はいこれ水。」
私は逢瀬 世界に水を渡す。
「ありがとう!そんなことじゃないよ、みんな困ってた問題だったわけだし。」
「はは、そう言ってくれてありがとう。」
「店員さんに丁寧だよね、1回1回頭下げたり受け答えもすげーなあって思う。」
「すごい褒めてくれるじゃん、小宮さんの話はもういいの?」
褒められた照れくささで話題を小宮 優子に戻したかった。
「話したらすっきり現実見られたから優子はきっぱり諦めた!」
「バッサリしすぎてるの面白いね、逢瀬さんがいいならもういいと思うよ。」
流石に前を向こうとしている相手にお前さっきまで未練タラタラだっただろ。とは言えなかった。諦めようが諦めまいが私には関係のない事だ。あまり踏み込むのは良くないだろう。
「世界って呼んでよ、俺も春川さんじゃなくて
本当に毎回突然な人だな、と思った。
「うーーん、慣れないけど頑張るね」
「頑張ることじゃないでしょ!」と笑う逢瀬 世界を見て何故か少し安心した。
「帰ろうか!お会計お願いします!明日も仕事頑張ろうね雫!」
近くにいる店員さんに声をかけながら話す逢瀬 世界を見て犬みたいだな、と思いながら「うん、ご馳走様です。ありがとう」と返事をした。
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