第4話


そして数ヶ月後。

狐と狸達は、それぞれ自慢のうどん、蕎麦を作りあげ、

お互いに料理を振る舞うために、祭りが開催されました。


狐達の作ったきつねうどんは、それはそれは豪華な赤い器に、

狸達は故ことを奪われ、皆が目を輝かせて褒め称えました。


肝心なうどんも、コシのある麺に、狐達自慢のあまーい揚げは、

狸達に大絶賛でした。



狸達は緑のハッピを着て、皆の目の前で蕎麦を打ち、

目の前で茹で、すぐに盛り付けるという見応えのある実演は狐達から大好評を得て、


蕎麦の方も、香りが高く口の中に広がる蕎麦の甘味と、さくっさくの天ぷらに

皆が舌鼓を打ちました。


狐達は狸達に近づくと


「僕たちはそばがこんなに美味しいなんて知らなかった。

君達の蕎麦は、今まで食べた中で一番美味しいよ!」


と言います。


その言葉を返すように狸達は


「君達のきつねうどんも相当美味しいよ!

こんなに食材に拘ったうどんが食べられるなんて幸せだ!」


と言いました。


気がつけば、狐も狸も分け隔てなく仲良く一緒に会話を楽しみながら、

一緒に食事をしていました。


こうして狐の村と狸の村は仲良くなり、

二つの村は以前とは変わり、とても友好的な関係となりました。


村長達の思惑は大成功。

村長達は抱き合って喜びました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る