第3話


一方狸の村でも、狐の村に名物の蕎麦を振る舞う話はされました。

しかし、狸の村はやる気が全く見られません。


「えー、なんで親睦深めるだけのために、僕たちのそばをあいつらに振る舞わなきゃいけないの?」


「そうだよ、どうせそんなの振る舞ったって、

あいつら絶対バカにしてくるじゃないか。」


全然作る気がしないよねーと、口々にいう村民達

それを見た村長は、皆にこう言いました。


「君たちがそんなんだと、何も変わらないよ。

このむらの名物は、狐達にバカにされるような、

そんなしょうもない代物なのかい?」


「そんなことはない!僕たちの作るそばは世界一だ!」


「狐達が唸る、蕎麦を振る舞ってやる!」


自分たちの作る蕎麦に自信を持っているからか、みんなはやる気を出し

集まって相談を始めました。


狸達は葉っぱにまとめた意見をどんどん書いていきます。


「三つのたてを完璧にこなすのは最低条件だ」

「なら、蕎麦を打つのと茹でるのは、実演でやるのがいいだろう」

「つゆも、もっとこだわりたいね…鰹節から作ろうか」

「天ぷらの作り方ももっと研究したい」

「せっかくなら器もオリジナルのものを作ろうよ!」


こうして狸の村の村民達は、『全てを自分たちで育て作り、三つのたてを完璧にこなす』と結論を出し、

素材を全て自分たちで作り、時には他の地域の作り方も研究して、

自分たちの技術を磨きました。

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