第8話
俺とクリスタは冒険者ギルドに帰り事情を説明した。
「それはホントなの?」
まぁカトレアさんが疑うのも無理はない。さっきクリスタに聞いたらゴブリンジェネラルはCランク冒険者がやっと倒せるレベルらしい。
「やっぱり雄一は強かったんだね」
「たまたまなんだけどね」
「またそーやって言う」
クリスタは頬をふくらませながら言った。
「このことはギルドマスターに相談してくるからちょっとまってて」
「そんなにやばいことなんだ」
「そりゃそうでしょ。Eランクの雄一がCランク級の魔物を倒したんだもん。しかも1人で、プラスゴブリン50体位も。」
「そう聞くとめっちゃすごいな」
「当たり前でしょ」
それから30分くらい待つとギルドマスターがやってきた。
「俺がギルドマスターのアンドレイだ。よろしく。詳しい話は奥の部屋で聞かせてもらおうか」
ちょっとめんどくさい事になったな。
「で、早速本題に入るがお前は1人でゴブリンジェネラルとゴブリン推定50体を殺したのか?」
「はい、そうです」
「嘘はついてないと思うけど未だに信じられなくてね。」
普通に信じてないだろこのおっさん。
「あ、じゃあ俺と模擬戦をしよう。それで実力を確かめてやるよ」
「え、ギルドマスターとですか?」
「当たり前だろ。本気でやっていいぞ。一応俺は元Sランク冒険者だからな」
え、この人Sランク冒険者だったの?絶対勝てないじゃん。いや、勝たなくていいのか実力を見せるだけで、なら意外と簡単じゃね?
「じゃあ着いてこい。」
「雄一大丈夫?」
クリスタが心配してくれた。
「大丈夫だよ。実力を見せるだけだから」
「怪我しないでね」
「善処する」
そして俺は練習場に入り軽く作戦を立てる。
「ほほーうゴブリン討伐の前もそーやって作戦を立てて見事に成功したわけか。今回は俺に1発でも攻撃が当たればそっちの勝ちでいいぞ」
そんなの簡単じゃねーかと思ったが、
どーしようか。相手の能力も何も分からない以上様子見しつつ相手の弱点を見つけるしかないな。ファイヤーボールで牽制しつつって感じかな。
「大丈夫です。」
「よし、じゃあ始めるか。カトレア合図頼む。」
「わかりました。それじゃあ始め!!」
それを聞いた瞬間にギルドマスターが目の前にいてもう拳が目と鼻の先にあった。
俺はギリギリのところで避けて距離をとる。
「今のを避けるとは、絶対Eランクではないな。」
やばすぎだろあの速さ、ギリギリよけれたけど多分さっきの軽いアップみたいな感じだよな。くそ、どうするか。
「ファイヤーアーマー」
俺はとりあえずファイヤーアーマーを使った。そしてファイヤーボールを連発した。
「ファイヤーボール
ファイヤーボール」
だが俺の放ったファイヤーボールは素手で弾かれた。強すぎだろ。
「おいおいゴブリンジェネラル倒したならこんなもんじゃないだろ」
またあのパンチが来た。さっきよりも速度が段違いだ。でもまだよけれる範囲だ。それからは防戦一方だった。ずっとギリギリで避けて俺は反撃の糸口を見つける。あ、そうだ俺にはまだあれがあった。そこでお腹に1発重い一撃をくらってしまった。
「ぐはっ!」
俺は練習場の壁まで吹っ飛び死にかけた。
くそ、ただのパンチであの威力さすがはSランク冒険者様だぜ。でもまだ俺にはあれがある。
「ヒール」
俺はヒールで回復し、再度立ち上がる。
「お前はあと3手で負ける」
「ふっほざけ」
その瞬間相手が突っ込んできた。俺はパンチが当たる直前で後ろに回避し迎撃が来る前に目の前にファイヤーウォールを使った。
「ファイヤーウォール」
相手は関係なしに突っ込むが予想通り。ファイヤーウォールが時間稼ぎにもならないことはわかってたぜ。
「ドロップ」
「何?」
俺はファイヤーウォールを壁にして地面への視覚を消して相手がドロップで足がハマった瞬間に俺はファイヤーアーマーで相手に抱きつき顔面に超至近距離のファイヤーボールをあびせた。
「ファイヤーボール」
ファイヤーアーマーで体を焼きファイヤーボールで顔面を攻撃した。さすがに倒れるだろ。だが予想とは全然違った。
「いやーなかなかいい作戦だったぞ。」
「な、なんで?」
ギルドマスターは無傷だった。
「いやーEランク冒険者の攻撃を受けて怪我したらSランク冒険者の名が泣くよ。ははは」
いやいや、なんも面白くないから。普通に化け物じゃん。
「まぁ雄一が強いことはわかったからゴブリンジェネラルを倒したのは信じるぜ。これからも頑張ってギルドに貢献してくれ、じゃあ俺は仕事があるからじゃあなー」
なんだよあのおっさん。強さも行動もレベチだわ。
「雄一大丈夫?」
するとクリスタが心配してきてくれた。
「大丈夫だよ。ちょっとまだお腹痛いけど」
「大丈夫じゃないじゃん。ほら早く雄一の泊まってる宿に帰ろ。」
「そうだね。」
「雄一くん大丈夫だった?」
するとカトレアさんも心配してくれた。
「寝たら治るんで全然大丈夫です。」
「無理はしないようにね」
「はい、ありがとうございます」
俺がカトレアさんと話しているとクリスタは嫌そうな顔をしてた。
「どうしたクリスタ?」
「なんでもない。早く行くよ」
そして俺はクリスタに引っ張られ自分の宿に帰ることになった。
王道異世界転移、チートスキルとかないけど美女達とゆっくり魔王を倒しに行きたいと思う マッスル見久一 @sana123
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