第2話 もっと
さて、文の構成がOVSということはわかった。それでいて "mitulul' ni' con bano." が "あなたはみのるです。" なのであれば、恐らく "-o" は "〜は" という意味の助詞なのだろう。確認の意も込めて僕はこう言った。
「
〔
どうやらあっているようだ。"ni'" の意味は分からないが、とりあえず文を作ることが出来た。次は少年の名前を聞きたいのだが……
確か僕が日本語で話しかけた時に "pon" と言っていたような…… "何" の意味ではないだろうか、物は試しだ、聞いてみよう。
「
〔…?〕
少年はしばらく悩んでいたが、僕の意をくみ取ってくれたのか、
〔
と答えてくれた。この少年の名前はラデフェロらしい。
〔
いきなりの長文だ。所々わかる単語があるもののほとんど理解できない。恐らく僕が作った文の訂正だろう。確かに "あなたは何?" ではおかしい。ということから察するに "xelon" は "名前" 、"eln" は "否定" の意味ではないだろうか?
「
〔
わかったぞ。多分 "ni'" は主語の前に付くんだ! そして…… "jecon" は "〜の" の意味だと思うんだけど………みつるは私の名前ですと言って確かめてみよう。
「
〔
えっ違うの?
少年もさすがに話つかれたらしく、それ以上何も言わずに部屋から出ていってしまった。
この時になってふと部屋の造りが特殊なのに気がついた。解読に夢中になりすぎてよく見ていなかったが、この部屋は東洋と西洋が混じったような造りをしている。窓は出窓で、カーテンもついているのにもかかわらず、格子状の、まるで障子のようだし……ここはどこなんだろう。
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