BEMONIN

棚花束

第1話 ?

ここは…………?


背中がやけに痛い。窓からは柔らかい光が差し込み、カーテンが微かに揺れている。


〔dicetox?〕

「ひゅぉ!……誰?」


驚きのあまり変な声が出てしまった……見てみると、そこには14から16歳くらいの少年がたっていた。


〔je'con ban xelono?〕

「えっ、えーっと?」


言葉が分からない。全く分からない。英語でさえ覚束無いのにそれですらないだと?


「えっと、日本語分かる?」

〔ū=……pon?〕


伝わらない。伝わるわけが無い。


「僕は時野 満。」

〔………?〕


やはり理解していないようだ。僕は自分を指差しながらもう一度言った。


「み つ る」

〔………mitulul' ni' con bano?〕


みつる!?今確かにみつると言った、"つ" が "トゥ" になっているが、みつると言ったはずだ。しかし何故かその後にもう一度 "る" と言った気がする。恐らくこれはほかの単語と名前を区別するためのものだろう。ならばその後に続く "ni con bano?" の中には "あなた" といった意味の単語があるはずだ。一つづつ試してみよう。僕はそれぞれ "ni" "con" "bano" を少年を指差しながら言った。


「ni」

〔…………?〕


少年は首を傾げている。


「con」

〔…………?〕


これも違うようだ、ならば、


「bano!」

〔…………?〕


あれっ、これも違う?声高々に言った自分が恥ずかしい。すると少年は自分と僕を交互に指さしてこう言った。


ban

con banあなた


なるほど。どうやら "ban" が "私" "con ban" が "あなた" という意味のようだ。そこで僕は自分を指さしてこう言った。


ban mitulul'?みつる?

〔en gē… mitulul'みつる ni' con bano.あなた...


どうやら文の構成はSOVでもSVOでもなくOVSらしい。これは珍しい。

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