第17話 ~追~
僕は野良だ
好きに書く
好きに聴く
野良の僕には
もちろん名前は無い
でも あるんだ
いつも狩りに行く場所に
ギターを弾きながら
歌ってる女の人がいる
嬉しい時も
悲しい時も
綺麗な歌声で
少しクロにも似てる
女の人の傍には
クロの太陽にも似てる
いつも笑顔の
男の人がいる
歌声を聴きながら
男の人にネコパンチすると
ペシってやり返された
やっては やり返されて
女の人はそれをみて
いつも笑ってる
主様が居なくなって
自暴自棄で
激しい雨の中を歩いて
僕は死にかけた
主様が居ないなら
このまま死にたいと
思った僕を
2人は助けた
「ここにいてもいいんだよ」
そう言ってくれた
相変わらず野良だけど
僕は2人を応援したい
女の人は僕を
「にゃにゃ」と呼んだ
男の人は僕を
「ネコ」と呼んだ
ああ、主様には
なんて呼ばれてたっけ
うん・・・
「ヤコ」だ
ずいぶん前に
僕についてた名前
なんで知ってたんだろう
ああ、主様が
僕を助けた時に
ついてた首輪
それで知ったんだ
いつの間にか付いていて
取れなくて困ってた
僕を縛ってた首輪
取ってくれたのは
主様だったな
僕は野良と言いながら
沢山の人間や仲間に
助けられてる
僕は黒猫だ
黒い僕は
過去には
縋らない
縋れない
今を生きよう
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