第46話 迷宮古代都市ダンジョン踏破
グランデの街の地下に広がる50階層にもなる”迷宮古代都市ダンジョン”はハヤト達も未だ25階層迄しか踏破していない。
ハヤトは魔族、魔界龍対策として四人のコンビネーションとスキルアップのために
グランデのダンジョン制覇を目指して”迷宮古代都市ダンジョン”をめざすことにする。
ケープの街からグランデ迄時間が勿体ないので朝食を食べると自宅から『万能乗用車』で垂直上昇して800メートル上昇後に時速600キロで飛ばし、数分後にグランデ手前の道に降下して衛兵にカードを見せてギルドに行く。
未だ朝なので受付は混んで居たが並んで”迷宮古代都市ダンジョン”に潜る旨伝えてカード4枚を提出し、履歴を印字してもらってダンジョンの入り口に向かった。
5分ほど並んで転移盤に乗り四人は26階層からの踏破を開始する。
26階層は平原ステージにオーガ二体が剣を構えているがセリーヌが”連射の弓”で2匹とも頭を打ち抜き瞬殺してしまう。
ハヤトが【次元収納ボックス】に回収する。
27階層は砂漠ステージで『万能乗用車』に乗り込み1メートル程浮いて走り出す。
【サーチモニター】にサンドモールが3匹いる。
牙が70センチ程あり、すばしっこい!
レーザービームで3匹の頭を撃ち抜いて血止め後に回収する。
直ぐにサンドスコーピオンがいて、毒の針を振り回して『万能乗用車』に向かってくる。
レーザービームで頭を打ち抜き更に胴にもう一撃加えて完全に殺し、回収する。
28階層は密林ステージでウォーターモンキーが木の上から攻撃をしてくる。
ドリスとアレンがレーザービームで1匹ずつ撃ち落とし、セリーヌが10連射で一気に10匹を撃ち落としていく。
40匹のウォーターモンキーもあっという間に全て撃ち落としてハヤトが回収。
更に行くとウォーターベアーが襲ってくるがハヤトが掌底破で瞬殺してしまう。
29階層は海のステージでシー・サーペントがいる。
『万能乗用車』に乗り込み直ぐに潜行し始めてレーザービームで撃ち取った。
更に潜行して進むとクラーケンが2匹いるので、銛を打ち高圧を放って殺し、続けて2匹目も銛を眉間に放ち高圧放電で殺し、回収する。
30階層はボス部屋で銀色の扉を罠に注意しながらゆっくりアレンが開けると巨大なミノタウロスがハルバードを携えて立ち上がり構えた。
セリーヌが何と5連続連射で矢を放ち、足、手、胸、首、顳顬と放つとハルバードで胸と足と首を防ぐも手と顳顬に当たった矢はハルバードを跳ね飛ばし、脳を破壊してミノタウロスを弓で倒してしまう。
「セリーヌ、ミノタウロスの様に剣やハルバードの達人で弓を簡単に防ぐかと思われたけど、流石に貴女の”連射の弓”にはかなわないね!」
「私も果たしてボス部屋のミノタウロスでは全部防がれてしまうかと心配だったのですが1発でも当たれば結構魔力を込めたので部位の破壊は可能かな?と思いました」
「かなりの威力だね、1本でも当たれば手でも足でも吹っ飛ぶからその後の戦いが凄い有利になるもの」とハヤトが絶賛する。
【サーチ】して罠がないことを確認して宝箱を開けると紫水晶の様な綺麗な魔石が付いた指輪で【鑑定】すると、”相手のスキル、魔法の全てを吸い取り、嵌めている
人に奪ったスキル、魔法を付与し、指輪をつけている限りその付与は続く”というチートなマジックアイテムなので早々にハヤトが右手の人差し指に嵌めた。
31回層は火山ステージでキマイラが2匹もいる。
セリーヌが精霊魔法でノームの力で【アースニードル】でキマイラの比較的柔らかい皮膚の腹を狙った。
柔らかな腹にセリーヌの放った土の針が串刺しの様に何本も刺さり死んだ。
もう1匹のキマイラの腹をドリスが剣で刺し、額にレーザービームを放ち殺した。
32階層は平原ステージでワイバーンが3匹もいる。
ここはドリス、アレン、ハヤトが同時に【瞬足】を使い三人が同時にワイバーンの首を切り落とす。
あまりの速さにワイバーンは自分に何が起こったかわからないだろう、それ程三人
の速さは尋常ではなかった。
一瞬で胴体から首が落ち、其々止血後に【次元収納ボックス】に回収する。
33階層は洞窟のステージで死臭が充満している。
キラービー3匹が赤外線複眼で暗い中でもミイラとバンパイヤが向かってくる映像を送ってよこす。
ドリスがAIによって殆どの魔法を魔法陣から作り出して放つことが可能で、即座に
【ファイアボム】を連射で放って焼き払い其の後は【聖魔法】で浄化して霧にして消した。
後ろには20体程のスケルトンが剣を構えてくる。
ドリスの【聖魔法】では若干威力が弱いのでセリーヌも力を貸して二人の合わせた【聖魔法】で消し去った。
34階層は砂漠ステージになっている。
『万能乗用車』に乗り込んで1メートル程砂地より浮上して走行開始した。
【サーチモニター】にサンドモール(砂モグラ)の巨体が映し出された。
其の大きさが半端ではなく通常の3倍強ある。
10メートル程あるサンドモールにハヤトはレーザー砲を射ち放ち大きな胴体に風穴を開けて殺し、周りを焼き切り血止めと内臓が飛び出すのを防いでから回収した。
35階層はボス部屋で扉をドリスが開けるとレイス(悪霊)がいる。
【聖魔法】の少し強めに『ハイホーリーマジック』とセリーヌが放つと「ききぎゃー」と悲鳴をあげながら次第に体が消されて行き、5分ほどで全て霧散された。
部屋には宝箱が残り罠を確認したのちハヤトが開けてみる。
”魔力増幅リング”と【鑑定】に出て持っている魔力を10倍近くまで引き上げる指輪と出た。
セリーヌは通常の人より数倍の魔力だが此れをつければ魔王さえも遥かに凌駕する魔力の持ち主になるので、ハヤトがセリーヌの人差し指につけてあげる。
「旦那様、物凄い力が湧き上がるのを感じますわ!
ハヤトはセリーヌを久しぶりに【鑑定】してみる。
セリーヌ:エルフ王女 年齢? ハヤトの妻 ”滅亡の弓手” ”殲滅の弓”のマスター
全精霊の加護 全精霊術ランクマスター級
【魔法】全魔法特性
<火魔法> 10000
<水魔法> 10000
<土魔法> 10000
<光魔法> 10000
<無属性魔法> 10000
【魔力】(MP):測定不能
冒険者クラス:SSクラス
何とMPは測定不能迄上がっている。
これで魔力が枯渇することは無くなった。
36階層に向かう。
36階層は平原ステージに土ゴーレム3体がいる。
いずれの3体も再生能力が高く砕いてもすぐ再生してしまう様だ。
ドリスが剣で細かく切り刻むが刻まれた土は又形を整えてゴーレムになってしまう。
セリーヌが”連射の弓”に魔力を少し流して、魔石をめがけて矢を射った!
3本の矢は的確にゴーレムの魔石を破壊して、土ゴーレムは動かなくなる。
ハヤトが【次元収納ボックス】に回収した。
37階層から39階層は海のステージ、岩場ステージ、森林ステージと魔物を順調に討伐して40階層のボス部屋の前に四人は立った。
銀色に輝く扉をドリスが開けるとそこにはミスリル製のゴーレムのアーティファク
トであろう物体が盾と剣を構えて立ちはだかっている。
アレンがレーザービームを放つが盾で防がれてしまう。
【瞬足】を使い懐に潜り込み剣で突くも再生で傷口が瞬時に塞がれてしまう。
ハヤトが【鑑定】をすると剣技レベル1000、魔法耐性(盾)1000、
再生能力瞬時、目からレーザービームを出すとなかなかの強敵だ。
アーティファクトは魔石さえ奪えば動かなくなるので、破壊せずにハヤトが対応することにした。
「ドリス、目から出すレーザービームに気をつけて君に意識が行く様にしておいてくれる?僕が魔石を奪い取るから」
そういうと『魔石師』のスキルを発動して【奪取(スティール)】を強烈に放ち、ハヤトの脳内にピキッと音がし、手に拳だいの魔石が現れ目の前のミスリル製のゴーレムは動かなくなり、ハヤトが回収する。
ハヤトはこのゴーレムをハヤトの自宅の警備として帰宅したら魔石を入れ替えて
使うつもりで破壊せずに回収する。
宝箱を罠がないことを確認してゆっくり開けると、”空飛ぶ軍艦の設計図”が出て恐らく古代人が魔界龍対策として作った設計図らしい。
軍艦の大きさは全長70メートル、幅20メートル高さ10メートルと『空飛ぶ船』と全く同じ大きさで、前後に『魔筒砲』両サイドに2門づつ計4門の『魔筒砲』を備え、船の鋼板は10000度の魔界龍の息吹にも耐え、瞬時に船体を強固なシールドで包み込む装置が操舵室に備えている。
『空飛ぶ船』より走行スピードが早く音速で飛べるが魔石レベル9が必要とでている。
乗務員は50人乗りと少なく設計されている。
それは下の客室の部分が超高速で走る機関室に殆ど振り分けられているためのようだ。
図面をみる限り物凄く重々しい感じが伝わってくる程の設計図でハヤトは唸ってしまう程の図面だ。
それほどの相手なのだろうまだ見ぬ魔界龍は・・・。
41階層はグリーンウルフだがこれも人工のアーティファクトのウルフで通常より
かなり敏捷だ。
ドリスもアレンも剣ではなくレーザービームで魔石の部分を狙い撃ちして倒していく。
セリーヌは”連射の弓”で5本の矢を魔力を少し強めに念で魔石を思いながら矢を放ち的確に魔石を撃ち抜いて結局三人で人工グリーンウルフ20匹を回収する。
42階層から44階層は人工物魔物ではなくドリスとアレンで全て対処して45階層のボス部屋に到達した。
45階層は人工のアダマンタイト製の大蜘蛛で口から細いワイヤー製の糸を出しどうやらその糸に掴まれると逃げられずワイヤーで体をちぎられる様だ。
ドリスとアレンは自身にシールドをかけているのでワイヤー製の糸も怖くはないが
大蜘蛛の大きさが15メートルもある。
剣でもアダマンタイトの鋼鉄製のため傷一つつけられない。
セリーヌが”魔拳銃”を大蜘蛛の頭めがけて撃ち放った。
放った魔弾はマジックジャイロ弾で頭に当たるや高速回転を開始して硬いアダマンタイトの額の中にどんどん食い込んで行き、破裂をして、大蜘蛛の頭を砕いてしまった。
ここにある宝箱は特に罠もなくドリスが開けると『一命を取り止めるポーション』
とあり、死ぬほどの重傷者もこれを飲めば完治するポーションらしい。
10名分と書かれていた。
ハヤトには【エクストラハイヒール】があるが持っていて損はないので回収する。
46階層はヒュドラのアーティファクトがいる。
剣で切るのは厳しいかもしれないのでドリスは切るのをハヤトに任せて再生を防ぐべく切り口をレーザーで焼く方に回る。
『白兎』で9本の首を順番に切り落として行くハヤト。
それを切り口をドリスとアレンはレーザービームで再生を防ぐ。
30分ほど掛かってやっと9本を切り落として動かなくなったところをハヤトは念のため魔石を取って回収した。
47階層は巨大なミノタウロスのアーティファクトで【鑑定】すると剣技100、魔力耐性100、ハルバード技術100、再生スキル60と出ている。
ここはハヤトが『魔石師』のスキルを発動して魔石を【奪取】する方針でいく。
ドリスが自分の方に注意を向けさせてハヤトがスキルを発動!
ハヤトの脳内にピキッと音がして、2個の魔石が手元に現れた。
しかも、両方とも拳より大きい程だ。
【鑑定】すると魔石ランク9で黒龍にほぼ等しい魔石クラスだ。
全て【次元収納ボックス】に回収して48階層に行く。
48階層は洞窟にスケルトンとバンパイアが10体ずついる。
全てが再生スキルで瞬時に再生するため、ハヤトが『魔石師』のスキルを広域に発動させ、5個づつ奪い取り動きを止め、残りの5体づつ10体はドリス、アレンが魔石の部分にレーザービームで魔石ごと破壊して動きを止めて回収した。
49階層はミスリル製グリフォンで再生、耐魔法、耐物性に秀でている。
ここは銀龍君にお出まし願って40メートルに巨大化した銀龍がグリフォンめがけて飛んで行き頭を加えて首を食いちぎり、ハヤトが魔石をスキルで奪い取り回収した。
ついに最後の階層50階層だ。
まだ誰も到達なし得ない階層についに来た。
金色に輝く扉を罠を確認しながら開けるとそこにはミスリル製の黒龍が数千度の”火炎の息吹”を吹いて四人を威嚇している。
この黒龍と戦うにしても魔石を奪って大人しくさせた方がいいのでドリスとアレンに”黒龍にレーザービームで気を自分たちに引きつけておいてくれ”と念話で話しハヤトは逆鱗の所に埋められた大きな魔石を奪うために黒龍の背に飛び乗った。
逆鱗の鱗を手刀で破壊して、大きな魔石を奪いとった!
その瞬間、ドリス達と戦っていた黒龍は動きがピタリと止まり動かなくなった。
ハヤトは魔石とともに本体を回収して、宝箱を【鑑定】する。
『具現石』で全てのマジックアイテムになり、その特性を引き継ぐ。
『古代都市ダンジョン』の『具現の水晶』のネックレスと同じマジックアイテムだ。
この具現石はリング状にはめ込まれておりハヤトの左手首に嵌めたらサイズがハヤトの手首と同じに自動で代わりピタリと手首に収まった。
ダンジョンコアは今までの中で一番大きく重い。
地図も作り終えて、四人で転移盤に乗って1階層に戻って来た。
遂に未踏の『迷宮古代都市ダンジョン』50階層を踏破したのだ。
冒険者ギルドの素材置き場に行き、ミスリル製ゴーレム以外の全てを出し、魔石はある程度ハヤト自身で回収して素材置き場には選別しながら出した。
それでも膨大な魔物とアーティファクトの量で素材置き場はごった返しの状態だ。
「量がすごいので2時間はかかるから食堂ででも待っていてくれ」とチーフに言われ、ハヤト達は食事をしていなかったので昼食を食べることにした。
ハヤトはマナバイソンのステーキに野菜コンソメスープにパン食べ放題、セリーヌはヒメラギオの塩焼きと野菜スープにサラダとパンで銅貨30枚をカードから支払った。
そのあと、『万能乗用車』に乗り込みコーヒーを飲みながら時間を潰して再び
冒険者ギルドに戻りしばらくして納品書ができたので受付の女性に納品書と製作地図とダンジョンコアを提出した。
「えええー!”迷宮古代都市ダンジョン”制覇したのですかぁ?しかも1日で25階層も進んで?全部で3日間しか掛けてないじゃないですか・・・」
「清算金額は白金280枚、金貨95枚、銀貨98枚銅貨90枚です」
「それじゃ、カードに全て入れてください」とハヤト。
全て清算してもらい、『万能乗用車』でケープの自宅に戻って行くのだった。
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