第32話 グランデの街でその2
グランデの町に来て街の地下に広がる”迷宮古代都市ダンジョン”の20階層迄
踏破して宿に戻ってきたハヤト達。
アレンとドリス、キラービー3匹と銀龍は『万能乗用車』の中で明日朝を迎える。
ハヤトとセリーヌはシャワーを浴びて着替えてお茶を飲みながら休んでいる。
「セリーヌ『100倍時間の指輪』をちょっと貸して!2つコピーを作ってドリスとアレンに渡したいから」
セリーヌから借りて【モデリング】でもって2個の『マジックアイテム』の腕輪を
作り出したハヤトはそれを【次元収納ボックス】に入れた。
「旦那様、私達のパティーの力は魔道具を入れたら本当にチートすぎるほど特別な力を持ってしまっていると思うので、余りこの世界で知れ渡らないようにしないとギルバート侯爵様の言うように貴族間の勢力争いに巻き込まれる恐れが有るので気をつけましょうよ」
「そうだね、人前では余り本来の力を誇示せず地味に行こうと思っているよ」
「それがいいです。私も『魔拳銃』などはむやみに使わないように腰に帯同せずに
【次元収納リング】に入れておいて瞬時に出せるようにしますわ」
「それがいいね、暴発しないように安全装置が付いているけどセリーヌが持った瞬間すぐにそれが外れるようになっているから取り出した瞬間には撃てるからね」
「明日は21階層から25階層辺りで打ち上げて、通常のクエストでも受けませんか?踏破してしまうとそれこそ此処の領主の侯爵様からも目をつけられてしまう気がするのですが!」
「確かに、余り目立つ動きは良くないね、セリーヌの忠告に従うよ」
「さぁ、一緒に夕食に行きましょう」とセリーヌに言われて二人で手をつないで食堂に降りて行った。
【認識阻害】を掛けて目立たないように二人で食べていると冒険者達の声が否応なく耳に入ってくる。
”きょう4人組のパーティーが1日で20階層迄行ったそうだぞ!”
”どんな奴らなんだ?”
”男性二人とえらい美人の女性二人のパーティーで何でもケープや王都では超有名な
ドラゴンスレイヤーだそうだ”
”グランデの冒険者ギルド始まって以来の速さで踏破したそうだ”
”そりゃそうだろう、俺達は半年かかってやっと5階層だぞ”
そんな声を聞きながら夕食を食べてさっさと部屋に戻る二人だった。
部屋に戻って、コーヒーとケーキを食べながら矢張り明日はダンジョンは止めて
通常のクエストを受けることに切り替えた二人は早々に抱き合って寝ることにした。
翌朝早めに起きた二人はいつもの日課の朝練をこなして、朝食を食べてアレンとドリス達と冒険者ギルドに向かった。
途中でハヤトは『100倍時間の腕輪』をアレンとドリスに渡してあげた。
ギルドに入って、掲示板を見て比較的簡単なクエストでファングボアの群れの討伐
依頼を農場から出ていたのでそれを持って受付に出した。
農場からは依頼達成で銀貨200枚、ギルドから個体数の応じて銀貨が支払われることになっている。
依頼主はグランデの城門から出てすぐの農場主からの依頼だというので4人で歩いて城門まで行きカードを出して農場迄行った。
結構広い農場で柵を施してあるがファングボアが柵を破壊して農作物を荒らして困っているというので、4人は分散して夫々4方向に別れて【サーチ】をかけることにした。
セリーヌの所にはキラー・ビーが1匹、アレンのところにも1匹、ドリスの所にも1匹配置して、映像を夫々送るようにした。
配置完了から小1時間待つとドリスのいる所のキラービーが1キロ先のファングボア12匹の映像を皆に送ってきた。
ハヤトは広範囲に【サーチ】を掛けて更に見ても他には来ていないのでドリスのいる所に集合して迎え撃つことにする。
ドリスとアレンが剣で5匹ずつ首を切り落とし、セリーヌが2匹を弓で殺してハヤトの出る膜はなく終わった。
12匹のファングボアの死体を農場主に確認してもらいサインを貰って銀貨200枚を貰ってギルドまでのんびりと帰ってきた。
ギルドの素材置き場にファングボア12匹を納品して納品書を受け取り受付で銀貨
180枚をカードに入れてもらいギルドをあとにした。
4人でグランデの街を散策しながら昼までのんびり街を歩き回って時間を潰し、セリーヌとハヤトは昼食を食べに定食屋に入った。
その間、アレンとドリスたちは『万能乗用車』の中で待機して、ハヤト達を待った。
午後から時間も有るので再度冒険者の掲示板を見に行く。
結局めぼしいクエストがないので、”迷宮古代都市ダンジョン”の20階層より下の階層を25階層までに決めて潜ることにした。
午後からのせいもあって、入り口は空いていた。
4人はカードを見せて、21階層迄転移盤で降り立った。
岩場フィールドにやっと古代都市らしき人工の魔物が待ち構えている。
ミスリル製のシルバーウルフが3匹しかも5メートルほどの大きさだ。
ハヤトが【鑑定】すると、再生能力レベル5、俊敏性レベル7、顎の噛み砕く力レベル8となかなかの強さだ。
「皆んな3匹とも再生能力が有るから魔石を取るまでは油断できないよ」とハヤトがセリーヌ達に教えた。
「旦那様、私ここで『魔拳銃』を使って見ることにします」
「どんな弾を念じて撃つのか楽しみだな?」
「私の考えている弾が出るのか私も楽しみです」
と言って、セリーヌが最初にミスリル製シルバーウルフの顳顬(コメカミ)に『魔拳銃』を放った。
パンと乾いた音を残して弾丸が見事に顳顬(コメカミ)にあたりミスリル製シルバーウルフは倒れて動かなくなった。
セリーヌのもう一つの手にはシルバーウルフの魔石が一つ握られて居た。
もう1匹はアレンが首を切り落として、魔石を素手で奪い取って殺し、ドリスも
同様に剣で首を切り落として、魔石は素手でミスリル製皮膚を突き破って奪い取った。
「セリーヌ、君が考えた銃弾はどんな弾だったの?」
「はい、私は額を撃ち抜いてウルフの魔石を奪う銃弾を念じて撃って見たのですが全くその通りの事が起きて奇跡の銃弾ですわ!」
「すごいチートな武器だね」
「これがあれば魔界龍にでも対応可能かもしれません」
「色々まだ検証して見ないと油断しないで時々色々な弾を使って見たら」
「そうですわね、『連射の弓(殲滅の弓)』とこの『魔拳銃』があれば私的には無敵みたいですわ!」
セリーヌは思った以上の結果にえらくご機嫌だ。
更に22階層に向かう。
22階層は砂漠ステージでサンドワームが2匹いる。
『万能乗用車』に皆で乗り込みサンドワームにレーザービームを放ちハヤトのスキル『魔石師』を発動して、【スティール】で魔石を奪い取った。
23階層は今度は海のステージで人工のオリハルコン製のクラーケンがいる。
銛では打ち抜けないだろう。
レーザービームでも少し弱い気がするのでレーザー砲を放ってハヤトのスキルで魔石を奪い取って回収した。
海の人工魔物の場合、魔石を破壊しないと再生を繰り返すため普通の冒険者には少し
荷が重い気がするとハヤトは感じていた。
もっともハヤトの場合は魔石を綺麗なまま奪い取るために苦労するので、破壊してもいいのであれば討伐自体はさほど難しくはない。
24階層は岩場ステージに人工ではない地竜の群れ15匹がいる。
岩龍程体が硬くてきれないというわけではないが、群れでいる地竜はなかなか厄介だ。
アレンとドリスがレーザービームと剣で切り焼き5匹を葬る。
銀龍がやっと出番と20メートルほどの大きさになって、地竜の首を食いちぎって
10匹を一人で頭を砕いた。
「銀龍、やりすぎ!」
「だって、ご主人様ずっと出番がなくてやっと来たんですもの・・・」
そしてついに25階層に来た。
ボス部屋だが鉄の扉がものすごく仰々しい!
罠をサーチして無いことを確認してゆっくり開けた。
アダマンタイト製の巨大ゴーレムがいる。
その大きさは10メートルを超える。
ハヤトが【鑑定】すると再生、手から数千度の光線を放つ、力1トン、足の力
2トンと馬鹿力だ。
【サーチ】で魔石の位置を確認したハヤトはアレンとドリスに相手をさせてその間
スキル発動で『魔石師』の【奪取】によって拳2個分の馬鹿でかい魔石をうばいとった。
巨大なアダマンタイト製のゴーレムを【次元収納ボックス】に入れて宝箱を開けた。
『霊水のグラス』で常に美味しい水が湧き出るグラスだった。
”霊水”と出たので他に効用が有るのか見ると、体調が良くなり異常状態から回復する一種のポーションでもある。
【次元収納ボックス】に入れた。
転移盤で入り口まで戻り、素材置き場に行ってアダマンタイト製など人工の魔物などを収めた。
受付にカードと納品書を渡し、清算金白金2枚金貨47枚銀貨30枚銅貨50枚を
受け取りハヤトのカードに入れた。
財布の中身がかなり増えたので受付嬢に言ってカードに白金174枚金貨108枚
銀貨67枚を移して貰った。
その結果財布には白金5枚金貨70枚銀貨600枚銅貨65枚となり、カード内の金額が白金372枚金貨350枚銀貨214枚銅貨450枚となり、その辺の貴族の方達より大金持ちになっていた!
グランデの街で目立ちすぎるのも良く無いと思い、ギルドを出て『万能乗用車』に乗り込んで次の街グランデの南に位置するフェルトンという街に向かった。
移動する前に宿を1泊分キャンセルして精算した。
グランデから南に向かっておおよそ30キロ行った中堅の都市らしい。
『地図帳』でフェルトンと思いを入れて開けるとフェルトンまでの詳しい地図とフェルトンの街の内容が表示されている。
人口は20万人程の都市で農業より鉱物資源を採掘する事で栄えている都市だと表示されていた。
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