第8話 ハヤト護衛依頼を受ける
俺はいつもの様に宿の庭でバスターソードの重たい剣の素振りを5000回したのち示現流紅の型を『白兎』を抜いておさらいして、座禅を組んで瞑想して魔力を体内に行き渡らせて一気に解き放つ訓練をした後、シャワーを浴びて着替えてから1階に朝食を食べに降りて行った。
俺は朝食を終えてギルドに向かう。
掲示板を見たら護衛依頼で回復魔法師を募集していたので受付のキャロルに依頼書を剥がして持って行く。
「キャロルさん、先ほど掲示板を見ていたら【回復魔法師】募集と出ていたので警護依頼のパーティーに参加して【回復魔法師】としてのんびり王都まで旅をして来ます」
「そうね、魔物だけでなく色々な経験を積んだ方がいいかもね!」
「ハヤトさん、今これを募集した人達が食堂にいるのでリーダーを呼ぶから待っていて」
キャロルは一人の女性をハヤトの前に連れて来た。
「初めまして、【回復魔法】も使える冒険者のハヤトです」
「私は今回護衛任務を受けるパーティー”竜の牙”のリーダのシンシアだ、よろしく、あと魔法師のルイーズに剣士のエイベルと弓担当のアルフィーの4人構成でハヤト君を入れて5人で商人7人の商隊を王都まで護衛する任務よ」
「色々商売の高級品を積んでいて強盗辺りに狙われる恐れが有るので護衛依頼をギルドに出したそうよ」とルイーズが教えてくれた。
「俺は遠征みたいのは初めてなので色々勉強させてもらいながら行きますので何でもご指示ください」
「剣もそこそこ使えるし、魔法も少しは出来るので・・・」
「まぁ、ハヤト君は【回復術師】として募集したのだから後ろの方に居てくれていいのよ!怪我人が出た時にお願いするから。それと依頼達成後は金貨1枚ずつもらえるわ」
「途中、野宿とか有りますよね? テントとかは」
「ギルドからレンタル馬車が出る。なので馬車の中で交代で寝るから!」
「明日ギルド前に朝7時迄に集合、それに間に合うように朝食を済ませて来てくれるかな・・・」
「わかりました」
俺は取り敢えず今日は暇で掲示板を見たらオークとオークキングの討伐が有ったのでそのクエストを剥がして、それをキャロルに出した。
「場所は、東門を出て数キロ東に行くと森があるわ、そこに居る筈よ」
「わかりました何匹ぐらいかもわからないのですね?」
「そうね、数が多くて対応できない場合は逃げて来て!ハヤト君なら大丈夫か!」
俺はそれを聞いて苦笑いしながら東の門まで行き出て直ぐに【転移(トランスファー)】で東の森、俺が最初にこの世界に落ちて来た場所に転移して【サーチ】でオークを見ると、俺の先100メートルほど森の中に全部で10匹のオークとオークキング1匹が居た。
俺は【ブースト】をかけ、間合いを詰めて11匹のオークをかたっぱしから首を切り落として行く。
神様から頂いた黒いコートを着込んでいるのであまり背後は気にせず攻めに徹することができる。
勿論、【剣技】レベルが高い俺は背後に隙を作るほどの人間ではないが・・。
ついに最後のオークキングと対峙して先に仕掛けて来たオークキングの袈裟斬りを簡単に『白兎(ハクト)』で跳ねて、返す刀で首を切り落とした。
全て止血をして【次元収納ボックス】に回収して、【転移】で戻り素材置き場に11体のオークを納品した。
受付にまだキャロルが居るので納品書と依頼達成を渡すと驚いて納品書をみて
「10匹のオークとオークキング1匹をもう、倒したわけ?金額は銀貨230枚よ!」
「カードに入れてもらえますか?」
カードは金貨20枚銀貨760枚になった。
「ハヤト君、流石に一人でこれだけの短時間で依頼を達成してしまうのだからBランクになるのも頷けるわ・・・」と呆れて居るキャロルだった。
Aランクのゴールドカードに行くにはギルドでの上級試験が有るそうだ。
まぁ、先の話として俺は宿に帰りながら追加でコップと皿と鍋の大小、特大を購入し、特大鍋に屋台のいい匂いのもつ鍋を入れてもらって宿まで帰宅した。
夕食までに『万能鍋』に魔力を入れて温かいご飯を念じると鍋に温かいご飯が出てくる。
これを中鍋に入れて再度同じことを繰り返し、10食分程のご飯を作り【次元収納ボックス】に温かいパンとご飯を収納した。
俺はなんだか小学生の時の林間学校にでも行く様な楽しい気分でウキウキして準備をした。
明日からの食事の準備はできたので食堂に降りて夕食を食べ、早めにベッドにダイブして、意識を投げ出した。
翌日は随分早く起きて素振りと魔素の体内循環を日課として終え、シャワーを浴び、食事に向かった。
宿に6日分だけキャンセルしてお金の精算をした。
そしてミーシャに帰って来たらまたお願いしますと言って、1週間後の日を仮予約した。
6時半ごろ冒険者ギルドの前に行くと既に商人達の馬車が3台並んでシンシアとルイーズが来ていた。
男性の剣士エイベルと弓(アーチャー)のアルフィーも来ていた。
シンシアがハヤトを男性陣二人に【回復術師】だと紹介して「先日冒険者登録をしたばかりなので、分からない事が有れば教えてやってくれ」と言った。
剣士のエイベルが数日前に登録した冒険者と聞いて「坊主、お前ちゃんと【回復術】使えるのか?一度お前の腕でも切ってやるから自分で治して見ろよ」とにやにや笑いながら言って来た。
「俺は痛いのが嫌いなのでエイベルさんの足でも切って治してあげますよ」と言い返してアルフィーに笑われていた。
全員揃ったところでいよいよ出発の時間になり、4台の馬車はギルドを出て東門に向かって動き出した。
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