第6話 Dランク(クエスト)の達成

俺は宿の中庭で朝練をし終えてシャワーを浴びてから朝食を食べに1階に降りていく。


一見して冒険者だと分かる風体の人達が既に居て、朝食を食べていた。


冒険者達はいい依頼を取るために大体が朝早いのだ。


俺も明日からはもう少し早く起きて朝食をを食べようと思いながら朝定食を頼んだ!


すぐにミーシャが朝定食を持ってきてくれ、早々に食べてギルドに向かう。


EランクはDランク迄なら単独で依頼を受けることが出来るので、Dランクの依頼を中心に眺めて居るとファングウルフ3頭の討伐依頼が有った!


ファングウルフの群れは通常数十頭の群れで、そうなるとCランクのグループかBランクだが今回の依頼は、はぐれウルフらしい。


はぐれウルフとは元々群れのリーダーだったウルフが若い力があるウルフと戦いで負けてリーダーを追われたりして群れから離れたウルフとか、仲間外れにされて群れを追い出された1匹狼的な連中がよせ集まって3、4匹で行動しているウルフ達だ。


1頭当たり銀貨1枚なのでこの依頼書を取って、受付に持っていった。


キャロルさんが他の冒険者に対応していたので、獣人族のアルマさんに依頼書を提示する。


「あら、此処は初めてかしら?」


「いえ、先日登録したばかりのハヤトです。宜しく」


「私はアルマよ、宜しくね!」


「はい、名前はキャロルさんからお聞きして存じあげております。こちらこそ宜しくです!」


「冒険者はそんなに丁寧に喋らなくても良いわよ!ところでこのクエストを受けるのね?場所は西門を出て1キロ程行った所に山羊を飼育してる所が有るの、そこの小屋に3人ほど飼育員が居るからこの依頼書を提示して、討伐したらサインを貰って来て」


「分かりました、それじゃ行ってきます」


俺は【身体強化(ブースト)】を掛けてあっという間にいわれた小屋に行き飼育員に依頼書を見せた。


「君一人だけかい? 一人で大丈夫?」


「大丈夫ですよ、何十頭も居る訳じゃないから・・・」


そう言って俺は山羊を放牧してる所に向かい、【探査(サーチ)】を掛けながら木の柵に腰掛けて待つこと30分。


【探査(サーチ)】にファングウルフの群れが引っかかった!


何と群れの数は8頭いる。


俺は素早く【身体強化(ブースト)】と【シールド】を自身に掛けて『白兎』を抜いて待ち構えた。


群れが見えて来た!


もう少し近づけたら8頭を一気に【結界(バリア)】で閉じ込めてその中の空気を無くし気絶させて頸動脈を切る作戦を立てる。


50メートル辺りに来た時一気に【結界(バリア)】を群れめがけて張り、ファングウルフ達がバリアに激突する。結界内の空気が次第に無くなり数分で8頭全部が倒れた。


【結界(バリア)】を解除して、素早く『白兎』で頸動脈を斬り、殺して行く。


ものの数分で作業を終え、飼育員に確認して貰いサインを貰って8頭を【次元ストレージ】に回収した。


飼育員は怖くて外に居なかったのでハヤトがどの様に8頭ものファングウルフを倒したのか分からなかったが、あっという間に倒れて首を斬られたファングウルフを見て驚いていた。


俺は冒険者ギルドの作業場に持って行って8頭のファングウルフを出すと、その死体の綺麗さに作業員がみな驚いて居た。


チーフのクリフォードさんが出てきて「おお、ハヤトか!君が持ってくる魔物は本当に綺麗だな、首にほんの僅かな傷が有るだけだ。きょうも10枚色を付けてやるぞ!今後とも宜しくな」


「クリフォードさん、いつも有難うございます!」


俺は納品書を持って受付に提出すると、受付のアルマがその数を見て驚いていた。

「ハヤト君、怪我等しなかった? 大丈夫?」


「ええ、全然問題無かったですよ!」


「今日は状態が非常に良いファングウルフなのでクリフォードさんがプラス10枚付けてくれて全部で銀貨120枚にプラス10枚で銀貨130枚よ」


「それじゃ、カードに入れて下さい」と俺は言って、カードをアルマに戻した。


「はい、銀貨130枚が加算されて銀貨295枚にカードの口座が増えたわ!」とアルマから渡され大事そうに俺はしまった。


まだ時間も早くクエストをもっと受けたいと、再び掲示板を見るとフォレストボア

の5頭討伐の依頼が残っていた。金額は1頭当たり銀貨15枚で全部で銀貨75枚だ。


あまり割りが合わないのか残ってしまったようだ。


このクエストを受付に持って行く。


「ハヤトさん、またクエスト受けるの?」


「はい、早く色々経験を積みたいから!」


「場所は東門を出て数キロ行くと森があります。そこの近辺に出没するそうです」


「わかりましたでは、行ってきます」


俺は最初にこの街を訪れた時に入った東門に行きカードを見せて外にでて【身体強化(ブースト)】をかけて森のそばまで数秒でついた。


【探査(サーチ)】をかけるとフォレストボアが10頭も居る。


1頭づつ切り倒すのも大変なので10頭纏めて【結界(バリア)】の中に閉じ込めて空気を抜いて行った。


しばらくして動かなくなったので首を切り頸動脈を斬り血が吹き出した。


しばらくして血が収まりその部分を焼いて止血し、全ての死体をクリーン魔法で綺麗に血をおとして次元収納ボックスに入れた。


再び【ブースト】をかけて東門に行きカードを見せて冒険者ギルドに戻ってきた。


「クリフォードさん、フォレストボア10頭のクエストを受けて持ってきました」


「ハヤト、お前クエスト受けすぎじゃないか?」


「早くランクを上げてダンジョンに潜りたいんです!」


「それでも・・・、お前この数をどう殺した?」


「気絶させた後頸動脈を切り血抜きしました」


「いや〜、ハヤトの狩って来る魔物は本当に綺麗だ!これは特に首にほんの少しの

傷だけじゃないか!何かハヤトは特別のスキルを持って居るのだろ?」


「いえいえ、新米の普通の冒険者です」


「まぁ、今回も弾んで銀貨15枚プラスしておくな」


「いつもありがとうございます」


「ほれ、納品書だ、これを受付に出してくれ」


俺は納品書を持っていく。


「ハヤトさん10頭もいたの?大変だったじゃない」


「すごいわ、またクリフォードさんがベタホメよ!1頭当たり銀貨15枚で150枚にクリフォードさんのプラス分で銀貨165枚よ」


「ありがとうございます、キャロルさんこれもカードに入れてください」


「はい、入れましたよ。トータル銀貨405枚にもなりましたよ」


これできょうはゆっくり宿に戻って休もうと冒険者ギルドを出るのだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る