💔実験★動物★反逆★日記💔 世界を裏で牛耳る榎本 毅の魔科学人体実験研究所の実験体のオレは、仲間とともに、闇を暴いて、真相に迫り榎本をコテンパンにやっつけ、ミルカと幸せな日常を取り戻す(/・ω・)/!
15 久しぶりの学校、登校中、親友と蒼柳 賢としゃべる。
15 久しぶりの学校、登校中、親友と蒼柳 賢としゃべる。
いつも通りの
電車に揺られる。
揺られる。
ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン、と揺られる。
約二週間、学校に姿をみせず、
「お。」
目があった。
電車の中、ドア越しのいつもの
「おまえ、」
「やあ、久しぶりい、ひひひ。」
うまく、笑えているだろうか。
顔は引き
「久しぶりじゃあ、ねえぜ、まったくよお。心配させやがってえ。」
どこか、
「ところで、創よ、いったい二週間の間、何してたんだあ。連絡をしてもつながらねえしよお。」
僕は困った。
蒼柳という
真実をいってはならないのだ、無言を突き通さなくてはならないのである。
蒼柳は、僕の様子から、何かを
「悪かった。厭だったら、無理に言わなくてもいいよ。無事でよかった。元気そうで何よりだ。」
「ありがとう。君が友達でよかったよ。」
「なんだよ、気持ちわりいなあ。やめてくれ。」
蒼柳は、心底、変なものでもみる目で僕をみた。
「おまえらしくねえぜ。もっとクールで、かっこいいのが、創って感じなんだ。君が友達でよかったよ、だなんて、御前、かわったのな。」
確かに、普段の僕だったら絶対に、言わない言葉だ。
恥ずかしくて、顔から火が出る言葉だ、思い返すと恥ずかしくなってきた。
「今のは取り消しだ。忘れてくれ。久しぶりで、少し気持ちが高ぶったというのか、懐かしさを感じて、おかしくなっただけだ。」
「ああ、そう。」
僕たちは、友達なんだろうか。
友達というのは、難しいものだ。
友達といえど、すべてを知ることはできないし、物事の感じ方は全く違うのだから。
例えば、赤いリンゴがあったとして、友達は、青色に感じ取っているかもしれない。
けれど、僕には赤色にみえている。
同じものをみていたとしても、みえかたは、違うし、理解することはできない。
クオリアだ。
友達だけじゃない、あらゆるもの、にいえたことだ、無生物、生物問わず。
道に転がっている石ころだって、僕たちが知らないだけで、生きていて、気持ちがあって、
痛いという感覚さえ、どういった感覚なのかは、推し量ることはできないのだ。
だから、こそ、僕が一方的に、友達だとか、恋人だととか、家族だとか、思っているだけなのかもしれなかった。
数学はクリオアがない。
数字は、すべてが共通していて、等しいものを共有することができる。
自然の真実の形を数字でみることができる、だから、僕は数学が好きだ。
他愛のない会話をしていると、やがて、学校から徒歩に十分の駅に着いた。
学校への道を歩く。
桜の並木道だ。
11月28日の今日、木々は紅葉している。
少し肌寒い、手袋をしている人や、マフラーを巻いている人、上着を着ている人もちらほらとみかける。
「もうすぐ、冬になるのな。」
賢は紅葉する木々を見上げていった。
冬か。
「冬は寒くて、虫が出ないから好きだ。」
冬は寒いけれど、害虫は出にくい。
だから好きなのだ。
春、夏、秋は、害虫が出るので、苦手だ。
「けどよ、ゴキブリってやつには、季節なんてないぜ。いつだって、出てきやがる。」
ゴキブリか。
「っち。虫が嫌いだ。」
僕は舌打ちをした。
「ははは。」
賢は笑った。
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クオリア・・・感覚質のこと。感覚的な意識や経験。意識的、主観的に感じたり経験する質であり、脳科学では脳活動によって生み出されていると考えられている。哲学、心理学、認知科学においては、自然科学で観測、解明できないという見解が多い。
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