面接①

数日後。


葵のバイト面接の日がついに来た。


俺は、コンビニ前で葵と待ち合わせした。


暫くして、葵がやって来た。


「あ、制服なんだ。」


「そうだよ。学校帰りだから。」


期せずして見ることが出来た葵の制服姿。


6月の気候に合わせてワイシャツに薄手のクリーム色のセーター、下はチェック柄のズボン。


オシャレで可愛らしいデザインの制服が葵の雰囲気にめちゃくちゃ合っていた。


「制服、すっげぇよく似合うじゃん。」


「え、そうかな…?ありがとう。」


葵は、また照れながら言った。


葵を連れて中に入ると、店長が中で待っていた。


「店長。彼が葵くんです。宜しくお願いします。」


「おう、じゃあこっちでやるから。」


店長に奥の部屋に通される。


「葵、面接頑張って。」と俺が葵に声をかけると、「シメサク、お前も中入れ。」と店長に言われた。


「え、俺もですか?いいですけど、俺どういう立ち位置すか?」


「彼の付き添いだよ。ほら、緊張してるじゃん。」


葵の方を見ると、確かに緊張した顔付きだった。


店長と葵は、向かい合って座り、俺は何故か保護者みたいに葵の隣に立っていた。


「店長、威圧しないでくださいよ。」


「してねーよ。」


「顔、怖いですよ。」


「いや真顔だわ。失礼だなお前。」


そんな掛け合いをした後、葵に「店長、顔は怖いけど優しいから」と耳打ちした。


葵は、「わ、わかった…。」と緊張で少し声を震わせながら小さく返した。

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