ただそれだけだったのに。
Side 葵
「こんなの聞いてません…!」
ホテルに着くなり、その男の人は乱暴に僕の服を剥ぎ取り、ベッドに押し倒して、両手両足をベッドに括り付け、身動きを取れなくした。
「お金を多めに払えば、いつもと違う事をしてもいいって言っただろ?」
男は、全裸で身動きの取れない僕の全身を、したり顔で舐め回すように見て言った。
「…痛い事は嫌だって言いました…!」
怖くて声が震えてしまった。
自分の浅はかさを後悔した。
今日、SNSで連絡をくれたのは、1度会った事のある男の人だった。
どこかの会社の偉い人みたいで、前回は、設定した金額よりも多く払ってくれた。
性格は少し強引なところはあったけど、悪い人ではないという印象だった。
今回は、"お金を多めに払うから、いつもと違う事をさせて欲しい"と言われた。
少し考えたけど、"痛くない事なら良い"と返答した。
結局のところ、僕はお金に目が眩んだんだ。
こんな事ずっと続けたくはなかったし、1回の行為で沢山のお金が手に入るなら、それに越したことはなかった。
全てはお母さんとおばあちゃんを助ける為。
ただそれだけだったのに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます