第10話 我が愚妹の記録 中中編

ーバシャンっ!


「うわっぷっ!?ん……ここは。俺は一体?」


 俺は拘束椅子に座らされている護助を起こす為に水をぶっ掛けた。許せ、護助。


「な、なんだよコレ!?」

「起きたようだな」

「っ!?」


 キョロキョロ周りを見回していた護助に声を掛けると驚いていた。見えなかったのか?


「お、叔父さん!何コレ!?」

「貴様らを拘束する為の椅子だ」

「まさか、母さん達に何かしようなんて思ってねぇだろうな!?母さん達に手を出したらぶっ飛ばすグハッ!」

「喚くな」


 妹達の心配をまずするなんて。叔父ちゃん、護助の優しさとこれからする事を思うと涙で前が見えなくなるよ。


「奴らには何もしておらん。奴らは人間だからな」

「俺にこんなことして、一体何が目的だ!?」

「貴様ら化け物の正体を暴くだけだ」


俺はそう言って注射器を懐から取り出す。


「そ、それは?」

「毒だ」

「毒ぅ!?」

「これは特殊な毒で、量にもどんな生物にも関係せず体内に入ると五分であの世行きだ」


 この毒は妖鬼蜘蛛と言う化け物から取れる毒でどんな生物にも決まった効果を発揮するとても特殊な毒だ。


 毒を護助に投与してすぐに、毒は効果を発揮した。護助は顔を歪め、何かを我慢するかの様に口を食いしばっていた。


「どうやら効いてきたようだな。この毒は一分すると身体の奥が熱くなり、その熱は痛みへと変わっていく」

「ーーーーっ!?」

「二分経てば全身が冷えだし、痛みは更に増して行く。そして此処まで来ると貴様ら化け物が正体を現す頃だろう」


 化け物とはいえ生物。命の危険があれば本性を現す。


「人間の姿をしている化け物は三種類いる。半妖、憑依、変化。半妖は化け物と人間のハーフ。憑依は只人に取り憑いた化け物。変化は化け物が人間に化けたもの」

「ぐぐぐ……!」

「貴様に流れたその毒は最終的に五分後には全身ドロドロに溶かされて死ぬ。だが五分経たずに死んでいなければ、解毒剤でその毒自身が宿主の身体修復し、ボロボロなる前身体より更に良くしてくれる。つまり毒が効果を逆転させ、超人にしてくれる」


 護助に解毒剤を見せると「欲しい!」と言う気持ちが顔によく現れている。


「貴様ら化け物は貴様ら自身もしくは宿主が命の危険に遭うと半妖なら生存本能で化け物の方が強く現れるようになる。憑依なら宿主から逃げる為か宿主を生かす為に表に出てくる。変化なら変化どころじゃなくなるか俺から無理矢理解毒剤を奪う為に変化を解く」


 護助の父はあの蛇口である。ならば汎用では無い。変化なら部下がずっと監視していたからどこかでボロを見られているはずだが、そんな報告はないので変化もなし。


 つまり護助は化け物に取り憑かれている。その化け物が護助や人に害となるのか、そうでないのか。それはわからない。だが護助の身体を化け物に乗っ取られる可能性がある!


 護助、叔父ちゃんお前をそんなことさせない様頑張るからな!


ーーーーー

最近思う様に進まない。早くストーリー進めたい!

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