第7話 我が猛獣よ、鎮まれ! 後編
「クソがぁぁぁぁあああああ!!!!」
あっ、今クソはダメだ。
「貴様……一体何がしたいんだ?」
「……………」
しゃ、しゃべれねぇ。いや別に言いたくないとか言いづらいとかではなくただ喋れない。
声を出せば俺は、兄猛獣を出してぱんぱんになったズボンが更にぱんぱんを通り過ぎて穴という穴から一気に放出されてしまう!
それどころか今でもべちゃっとした感触が俺の尻に当たって不快感あるのにこれ以上出たら俺の理性が持たん!
「四分……おかしいな。正体を現さない?4分経てばどんな化け物も理性を失うほどの苦痛により正体を現す筈なのだが、貴様はどう見ても苦痛は感じているが理性を失くすほどでは無い。つまり貴様は化け物では無い?違う、ただの人間がこの毒に耐えれるはずがない」
叔父さんがぶつぶつと呟き思考の渦に呑まれていた。
俺は身体能力が高いだけのただの人間です。はいこのお話は終わり!だから助けて!
「ハハハハハ!そうか、そういう事だったのか!」
なんか叔父さんがちびっ子名探偵みたいな事を言い出した。そうですそういう事なんで(どういう事なんだ?)さっさと助けてください!
「なるほどそういう事か!奴はあの時の負傷で輸血したのか!フハハッ!確かにかなり血を流していたからな!これで大義名分を得た!」
一体叔父さんは何を言っているのだろうか?奴?輸血?大義名分?奴って言ってるから俺のことでは無いのだろうけど。
「しかし困ったな。つまりこの子は正真正銘俺の甥と言うことになるのか……。しかし鬼の子、鬼の末裔とはまた厄介な」
叔父さんは困っているようだが俺も困ってます。アンタが盛った毒のせいで腹に猛獣を飼うことになっちまったからな!
「ハァ、危険な芽は摘む、か」
叔父さんはそう言うと嫌々そうに刀を抜く。
「鬼の末裔、月門護助。今、ここで貴様を死刑に処す!」
俺の目の前で刀を腰に差した厳格そうな男、叔父が殺すと宣言した。
「へっ!?」
そんな状況で俺は逃げなかった。というよりできなかった。
何故なら俺は手足で金属で固定され、身体の中で暴れ回る猛獣を己の精神力で抑えるのに必死で、全く力が入らなかった身体。
本来なら叔父が俺を殺そうとしていることに焦るべきなのだろうが、俺の意識は完全に内側に向いていた。
鬼の末裔とか、死刑とか、今はそんな事どうでもいい事なんだよ!俺の中にいる猛獣よ。鎮まれ!大人しくしてください、お願いします。
ーガルルルグルルルルッ!
はぅ!?神様助けて!
ー・・・・・・
反応くらいしてくれ!
ーグルルルルガリュルルルルグヂッ!
猛獣さん!いや猛獣様!どうか、どうか!機嫌を直して!誰でも良い!てかオッサン!死刑でもなんでもしますから今は助けてぇぇぇぇえええ!?
ハッ!
「何か言い残す事はあるか?」
さらば母さん。さらばマイエンジェルシスター美玲。俺は貴方達と同じ世界に生きていく事は出来なさそうです。
「ごめんなさい」
ごめんなさい叔父さん。どうやら俺はもう限界みたいです。
「アンタも道連れじゃぁぁぁぁぁあああああ!!!!」
「い、一体何をーー!?」
「うおぉぉぉぉぉぉ!!!!」
俺の中いた猛獣が解放された。それも兄猛獣よりも勢い、量も上の個体より液体よりの姿で。
ーーバキィン!
その勢いは俺でも壊せなかった拘束椅子の金属製の輪っかを破壊した!それどころか俺の身体を宙に持ち上げた!?
「うぉおお!なんだこれは!?臭っ!?汚っ!?」
猛獣は俺のパンツ、ズボンをつきやぶると周囲に飛び散った。当然近くにいた叔父さんにも向かった。
叔父さんは自身に当たらないように刀の鞘で飛び散った猛獣を叩き落とすが完璧とはいかず、顔や服に付着した。
「グヘッ!?グハッ!?」
そして俺は猛獣の勢いは落ちず、天井に衝突。バランスを崩して床に落ちる。
「ブゥゥゥゥ!ブアッハ!?」
まるでジェットエンジンのように猛獣は俺の身体を押して床を滑り壁に衝突した。
「ちょっ!こっちに向けるな!ついてくるな!くっさ!?」
そして叔父さんは俺が壁に衝突して身体フリフリしてしまっているとどうやら自分の方に猛獣をぶっかけられているようだ。
「くっ、こうなったら!」
叔父さんは迫って来る猛獣を手で庇い口や目に入らないようにして迫って来た。
「いい加減にクソをやめろ!」
叔父さんがそう叫ぶと俺の尻に針を刺したような痛みが走った。
ーーブリリリリ!ブリッ!ブリュッ!ブー!……………プー。
そして俺は猛獣を解放した体力消費により意識を手放した。
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現代ファンタジー週間ランキングが上がりました!星、フォローをつけてくれた皆様のおかげです!ありがとうございます!
今の目標はランキングを二桁代にすること!主人公を大人まで成長させること!ヒロインを作ること!の三本です!
明日もまた見てくださいね!
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