第3話 我が母、消えないだろうか?

「おい、アンタら!状況知ってんだろ!たすけてくれ!」


俺は外に出て、俺たちを毎日監視しているグラサンに黒服の男達二人に向けて叫んだ。


「……………。こっちだ」


 二人組の黒服達はお互いでアイコンタクトをすると頷き、片方が案内してくれた。


「……………」


 そんな彼らに母さんは申し訳ない様な顔をして黙って、俺達もついて行った。


「これに乗って」


 案内されてついた場所は駐車場で黒塗りの高級車だった。


コイツら黒ばっかだな………。


 とは思ったが口には出さなかった。


「ブーブー!」


 美玲が高級車を見て手を伸ばし興奮している。可愛い。


 とりあえず俺達は黒服達に高級車に乗せられ、高級車は動き出した。五年間生まれた時からいたボロアパートを通り過ぎ、車は高速道路に乗った。


「あの、行き先は?」


母さんが不安そうに、黒服男に尋ねる。


「月門家本家です。当主様には既に伝えております」

「ですよね……」


 運転をしていない片方の黒服が母さんの質問に答える。母さんは諦めたような顔と声をしていた。


気づいた人もいるだろう。そう彼ら黒服達は母さんの実家、月門家の手の者達だ。俺が生まれた時から(たぶん)俺達家族を見張っていた。


 俺が彼等に気付いて母さんに聞くと最初は躊躇っていたが俺がしつこく尋ねた事で、俺は母さん達の過去を知ることができた。


 最初聞いた時は「コイツら正気か?」と思った。自分たちの愛を理解されないから家を乗っ取る?あのクソ親父は絶対愛なんてなかっただろ。


奴にあるのは性欲と母さんの実家の権力だけだ。アイツの事だからそんなところだろう。


 そんなこんなで、数時間かけて俺達は母さんの実家、月門家本家に到着した。太陽は落ちきり、夜の時間に広く大きな木製の門を車が潜るとその先にはこれまた大きな和風屋敷があった。


「大きい……」


 車の窓からその光景を見た俺はその大きさに驚いていた。


 いや母さんから聞いた話ではそれなり金持ちなんだろうなとは思っていたけどここまでとは予想外だ。


「どの面下げて戻ってきた、馬鹿妹よ」


 高級車から降りて最初に見た顔は厳格そうな母さんと歳が近そうな、二十代前半か後半の男だった。その男は母さんを睨みながらそう言っていた。


 その発言からおそらく彼は母さんの兄、つまり俺の叔父さんらしい。


「我が行いによる不祥事。申し訳なく思っております。また、この度こちらの都合により大変心苦しいですが、この家に戻る事をどうかお許し願います」


 母さんはそう言って頭を深々と下げた。それを叔父さんは眉間に皺を更に寄せて睨むように見た。


 まるで母さんがどんどん小さくなっていくように、そのまま消えてしまいそうに見えた。


 気まずい。声を出す事も出来ない。


 そんな俺達の空間の空気が重くなっていたその時


「クチュンッ」


 我らが天使、美玲がクシャミをした事で重苦しい空気が一気に晴れた。


「とりあえず、家の中に入れ。こんな寒い夜だと子供が風邪をひく」


 叔父さんの雰囲気が若干柔らかくなり、俺達家族をその大きな屋敷に上がらせてくれた。


 玄関に入ると長くそこそこに幅のある廊下があり、そこを通り、分かれ道で


「護助、君だったかな?君はあっち」


 叔父さんの後をついて分かれ道を曲がろうとしたら俺だけもう片方の道に行くよう言われた。そちらには俺達をここまで連れて来た黒服の二人。


 なんで俺だけ?



ーーーーーーー

あらすじとかキャッチコピーとか色々変えたけど大丈夫かな?


ここまで見てくれてありがとう!

ここまで全然物語に入り込めなかったけどこれからはちゃんとそうした文を書くようにするよ!




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