第20話告白
「おはよう、今日も綺麗にしてくれて有り難う」
「お早う御座います。旦那様…」
(はぁ…今日も素敵だわユリウス様…まさかお庭に来るとは思わなかったからなんて良い朝なんでしょう…でも、今日ユリーナ様が屋敷へ戻ってくるのよね…嫌だわ私とユリウス様との時間が無くなるわ)
庭に続く道を歩くユリウス侯爵の後ろ姿をじっと見つめるカレン嬢に近くにいたメイドの一人が声を掛けた
「あっ、カレンちょうど良かった奥様がお戻りになるから門の所の掃除を……」
「私、奥の庭掃除まだ残っていたから門の掃除お願いね」
「えっ?!ちょっとカレン」
パタパタとユリウス侯爵が向かった庭の方へと掃く棒を持ち走り出したカレン嬢は、咲き乱れる花の側で長い椅子に座るユリウス侯爵を見つけると走る足を止め心臓が煩い程に鳴る胸を押さえ、ゆっくりと歩きユリウスが座る椅子の側へと寄っていた。
「……あ、あの…旦那様?」
カレン嬢から呼ばれ、くるっと後ろを向くユリウス侯爵にドキッとするカレン嬢は顔が真っ赤に成り両手に持っ掃く棒を握り締めた。
「私に何か用かな?」
「…あ、あの、周りのお掃除をしても宜しいですか?」
「ああ、この場を離れようか?」
「い、いえ、いえ、旦那様はお座り下さい!」
カレン嬢は首を横に振りユリウス侯爵を椅子から離れる事を阻止していた。
「クスッ、そんなに首を横に振ると具合いが悪くなるよ」
「えっ、あ…」
(きゃ~っ、恥ずかしいわユリウス様に変なメイドと思われたらどうしましょう)
「私の事は気にしなくて良い、仕事を進めてくれ」
「……は、はい、旦那様…」
カレン嬢は周りの掃除を始めチラッ、チラッ、とユリウス侯爵の方へと目を向けた。
パラ…パラ…と持っている本を読むユリウス侯爵の横顔に頬を染めて見ていたカレン嬢は、無意識にユリウス侯爵の側へと寄っていた。
「……ふぅ、君も隣に座るかい?」
「えっ?!」
カレン嬢がいる方へ顔を向けたユリウス侯爵にカレン嬢は驚き顔が真っ赤に成っていた。
「私に用があるのだろう?先程から私の方を良く見ていたから私に用があると思い声を掛けたんだが…庭に掃除をと言うのは嘘だろう?」
「あ……も、申し訳御座いません旦那様、わたくしを屋敷から追い出さないで下さい」
慌てたようにユリウス侯爵に頭を下げるカレン嬢にユリウス侯爵は驚き苦笑いを見せていた。
「フッ、君に屋敷を出てくれとは言って居ないよそれに私に話しがあるなら聞くけど?」
「……旦那様…」
クスッと笑みを見せるユリウス侯爵の側へと寄り長椅子に座るユリウス侯爵の隣へとカレン嬢は座った。
「……あの旦那様、御尋ねしても宜しいですか?」
「どうぞ」
「あ…御手元にあります本は絵本のようですが…先程読まれて居ました本でしょうか?」
「私に話したい事はこの本の事かな?」
「えっ、あ、あの……」
「ふふっ、今夜子供達に読ませる本を読んで居たんだよ」
「御子様方にですか?!」
「ああっ、ユリーナが今日、末の娘を連れて屋敷へ帰って来るからね、ユリーナも末の娘で大変だと思うから今夜子供達に絵本を読み聞かせようと思ったんだ」
「……」
(……ユリウス様、そんな顔を私に見せないで…私は……)
ユリウス侯爵の幸せな笑顔を見たカレン嬢は顔を下に向け涙が出るのをグッと抑え、話しの途中カレン嬢が下を向く姿にユリウス侯爵は声を掛けた。
「……君…大丈夫かい?」
「……ンです…」
「ん?」
「わたくしの名前はカレンと言います。ユリウス様…貴方が好きです……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。