第19話ロバート伯爵との結婚

「城下町で珍しい紅茶があったのよ、一番に貴女に飲ませたいと思っていたの」

ロバート伯爵の母親がカレン嬢をお茶に誘い一緒に楽しむ姿があった。

ロバート伯爵の屋敷を出たカレン嬢は、そのままロバート伯爵の本家へと足を運んでいた。

「美味しいですわおば様、こんなに美味しい紅茶を飲めるなんて幸せ」

(さっき、ルイーゼと一緒に紅茶を飲んで来たから余り飲みたく無いのよね、紅茶の味なんてみんな一緒でしょう…まあ、おば様の前では褒めないとね)

「ふふっ、大袈裟ね、そうだわ今度一緒に城下町へ買い物に行きましょう」

「嬉しい、おば様と一緒にお買い物に行けるなんて」

ホルン家の本家の中にある庭園でカレン嬢とロバート伯爵の母親は花と紅茶を楽しんでいた。

「カレンさん、時々ロバートの屋敷へ行っているようね」

「おば様、どうしてわたくしがロバート様のお屋敷に行っていることを知って居るのですか?」

「ロバートが貴女がルイーゼさんに会いに来ている事を話していたの」

「ロバート様がですか?わたくし久しぶりにルイーゼとお会いしたものですから、懐かしくって…ルイーゼとお話しがしたいと思って時々伺っているんです」

「ロバートとはお話しはしないの?」

「ロバート様はお忙しくて中々お会いする事が出来ないんです」

「まあ、カレンさんが屋敷に来て暮れて居るときには仕事を休んでも良いからカレンさんのお相手をするものなのよ、あの子ったら気が利かないのだから」

「いえ、おば様わたくしが連絡無しでお屋敷へ伺って居るのですから、ロバート様のお仕事を邪魔をする訳にはいきませんわ」

「優しいのねカレンさん」

「ふふっ、おば様、褒めすぎですわ」

くすくすと笑い会話が進んでいた。

「カレンさん、直接聞きますわね。ロバートの事をどう思うかしら?」

「ロバート様ですか?お優しい方で一緒に居まして楽しいですわおば様」

「ホホホ、有り難う貴女がそう言って貰えて嬉しいわ…カレンさん、ブランシェ家ではメイドとして働いていると聞いたけど今でも働いているの?」

「ええっ、おば様最近はメイドの仕事が楽しくてユリウス様のお側で働く事が嬉しくて」

「……そう…」

ユリウス侯爵の名前を出し喜ぶカレン嬢の姿を見て「ふぅ…」と小さな息を吐き声を掛けた。

「……カレンさん、貴女にお話しがあるのよ聞いて暮れるかしら?」

「お話しですか?おば様」

「もし…貴女で良かったらロバートと結婚を考えて欲しいと思っていたの」

「!!おば様…わたくしとロバート様と結婚ですか?」

「ええ…貴女がユリウス侯爵をお慕いしている事は分かっているわ、でも私達夫婦はロバートと貴女の子供が見たいの……」

「おば様…」

ロバート伯爵の母親がカレン嬢の手を握り締めロバート伯爵との結婚を進めていた。

「……でもおば様、ルイーゼがわたくしとロバート様の結婚を許しては暮れませんわ」

「ルイーゼさんの事は心配しなくても大丈夫よ、子供が居ない事を気にしているのは分かっているの、私達はルイーゼさんの重荷を軽くしてあげたいのよ親友の貴女の子供でしたらルイーゼさんも可愛がって暮れるわ…次の週にお食事会をする前にお返事を頂けないかしら」

「おば様」

ロバート伯爵との結婚を進められたカレン嬢は食事会の前に返事をする事に成った。



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