第10話不安な気持ち
ルイーゼ夫人はメイドに椅子と紅茶にお菓子を新しく持って来るように伝え、庭園への場所に向かっていた。
「でも、驚いたわ…カレンと会うなんて、学校を卒業して以来会って居ないから…でもどうしてお義母様と一緒に居たのかしら……」
ルイーゼ夫人は親友と会えて嬉しいと思う気持ちと母親と一緒に居たことが気にはしていたが、考える事を止めロバート伯爵が待っている庭園へと急いでいた。
庭園に着いたルイーゼ夫人は、テーブルには誰も居ない事に気付き、何処へ行ったのか辺りを探し回っていた。
少し歩いた場所から奥へ入る道に綺麗な花が並んでいる木々が幾つか立ち並び、一本の木には隠れたような仕草を見せるロバート伯爵の母親の姿が見えていた。
「ほらっ、もっと近付いて!ほらっ、二人とも手を繋ぎなさい、ああっ、ロバート何をしているの屈むならもっと顔を寄せなさい、あ~っ、じれったい子だね」
「お義母様?此処で何をしているのですか?」
「ひやっ!?」
母親は後ろからルイーゼ夫人が声を掛けたのに驚き思わず声を出し、花を一緒に見ていたロバート伯爵が母親の声に気付き顔を上げた。
「もうっ、ルイーゼさん驚くじゃないの」
「…ごめんなさい、お義母様…此処で何を?」
ルイーゼ夫人は、母親が見ていた方へ顔を向けるとロバート伯爵とカレン嬢が一緒に歩く姿を見て、二人が側に寄っていた。
「ルイーゼ、戻って来たんだね、でも何故此処に居るんだ?母さんと一緒にテーブルで待っように母さんに話したけど……」
「えっ?戻って来た時テーブルには誰も居ないので探していた時、お義母様がこの木の側で立って居たの」
「……」
ロバート伯爵は、ルイーゼ夫人の話しを聞き母親の方へと顔を向けた。
「…オ、オホホホ……ロバートがカレンさんに花の名前をちゃんと教えて居るのか気になって見に来ていたのよ」
「私は、テーブルでルイーゼが戻りましたら待っようにと言いましたが」
ロバート伯爵は母親を見て不機嫌そうな感じを見せ母親は慌て出したように話しを逸らしていた。
「ほ、ほらっ、皆テーブルに戻りましょう、私達の分も用意出来て居ると思うから、さあさあ、行きましょう」
母親はルイーゼ夫人の腕を組み歩き出し、突然の母親の行動に驚いたルイーゼ夫人は一緒に歩く事に成った
「あ、あの……お義母様?」
「ルイーゼさん、一緒に行きましょう」
「えっ…あ、はい……」
母親はルイーゼ夫人の腕を組み一緒に歩き出しその様子を後ろで見ていたロバート伯爵はルイーゼ夫人を心配していた。
グイッ!と、突然腕を掴むのに驚いたロバート伯爵は隣で笑顔を見せるカレンの顔を見下ろしていた。
「わたくし達も参りましょうロバート様」
「……あ、ああっ……」
カレン嬢の積極的な行動は学生時代と変わらずロバート伯爵は困った顔を見せ、前を歩くルイーゼ夫人が変に思わないだろうかと気が重く感じていた。
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