第9話ロバート伯爵とカレン嬢

「ルイーゼ!?」

「えっ?……カレン!?」

ルイーゼ夫人は自分の名前を呼ぶ女性を見て何処かで聞き覚えのある声と顔を見てルイーゼ夫人は驚いていた。

「カレン!」

「ああ、本物のルイーゼだわ」

わーっ!と再会を喜ぶルイーゼ夫人とカレン嬢はお互い抱き締め再会を喜んだ。

「あらあら、貴女達知り合いだったの?」

「はい、私達学生時代の親友なんです。」

カレン嬢は学生時代ユリウス・ブランシェの後を追いかけ、そして、ロバート伯爵とルイーゼ夫人の親友でもあった。

「……あの、カレン嬢なのか!?」

「まあ、ロバート様、お久し振りです。わたくしの事覚えて居たのですか?」

「ああっ、久しぶり…まさか母と一緒だとは思いもしなかったよ」

ロバート伯爵とカレン嬢はお互い手を握り締め再会を喜んでいた。

「まあまあ、驚く事ばかりだわルイーゼさんだけで無く、ロバートとも知り合いだなんて」

「はい、おば様学園に居ました時ロバート様から勉強を教えていただいた事が在るのです」

「まあまあ」とロバート伯爵とカレン嬢に笑顔を見せ二人の背中をポンポンと叩くロバート伯爵の母親は笑顔がたえなかった。

「ルイーゼさんとカレンさんがお知り合いで、それもロバートとも知り合いだなんて、これも何かの縁よね……ルイーゼさんメイドに椅子の用意を御願い出来るかしら」

「はい、分かりましたお義母様」

ルイーゼ夫人はカレンに手を振り屋敷へと歩いて行った。

「母さん、私は席を外しますので二人とも座って下さい」

「そうね…ロバート、良かったらカレンさんに庭園の花を見せてあげたらどうかしら」

「えっ、私がですか?しかしルイーゼがまだ…」

「ルイーゼさんには私から言っておきますから、せっかく綺麗に咲いています花を御見せしないなんてレディに失礼ですよ」

「わたくしも花が見てみたいですわロバート様、ご案内出来ますか?」

カレン嬢は笑顔でロバート伯爵に庭園の案内を御願いしてロバート伯爵は断れずにいた。

「…分かりました案内しますが、私はそんなに花の事は詳しく在りません」

「ふふっ、大丈夫ですわ」

「母さん、ルイーゼが戻りましたら二人とも此処で待っていて下さい」

「はい、はい、分かりました。早く行ってらっしゃい二人とも」

「行って来ます、おば様」

カレン嬢はロバート伯爵の母親に手を振り二人一緒に歩く後ろ姿をテーブルから眺め、ニコニコと笑顔が止まらなかった。

「お似合いの二人だこと…一緒に歩く姿は夫婦の様だわ……ロバートがカレンさんを後妻にと迎えてくれたら良いのにね……」

時々、二人が草花の道を立ち止まりカレン嬢がロバート伯爵に尋ねる姿を見ていた母親は、カレン嬢をロバート伯爵の妻にと考えるように成っていた。

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