第8話懐かしい親友
ホルン家の庭には小さな庭園があり、小さなテーブルと椅子が二つ、テーブルの真ん中に紅茶をいれたポットに花の絵が描かれたカップが二個用意され、お皿の上にはカップのケーキが置き、ロバート伯爵とルイーゼ夫人はお互い向き合い二人のお茶会を楽しんでいた。
クスクスとルィーゼ夫人が笑い、何故笑って居るのか分からないロバート伯爵は手に持っていた紅茶がはいったカップをお皿に置き、ロバート伯爵は笑顔でルイーゼ夫人に尋ねていた。
「ルイーゼ、先ほどから私の顔を見て笑っている様だけど、私の顔に何か着いているのかい?」
ロバート伯爵は手を顔にあて何か着いて居るのかと顔を触っていた。
「クスッ、旦那様顔には何も着いておりませんわ。ごめんなさい、旦那様とお茶会を始めるとは思って居ませんでしたので私、思わず笑ってしまったのです」
「私の顔を見て笑うとは酷いなルイーゼ、男の私でもお茶会というものには興味があったんだ。
ほらっ、覚えているかな…学園でも庭園があっただろう、良くユリウス・ブランシェが利用して毎日違う女子とお茶をしていたのを覚えて居るかい?」
「余り良く覚えておりませんわ…ただ、私の親友のカレンがユリウス様と庭園でお茶をしたいと言われまして、毎日通っていたのを思い出しましたわ……」
二人は学生時代を思い出し花の香りと紅茶を楽しんでいた。
サクサク…と遠方から二人の貴婦人が歩いているのに気が付いたロバート伯爵とルイーゼ夫人が、自分達の方へ向かっている事に気付きロバート伯爵が声を出した。
「母さん、何故此方へ……」
二人の側に来たのはロバート伯爵の母親と若い女性が一緒に歩いていた。
「メイドからあなた達が庭園に居ると聞いて私も一緒に良いかしらと思い来たのよ、お邪魔だったかしら」
「……テーブルの椅子は二つだけですが、私達は席を外しますので、母さん達はどうぞこのままお茶を楽しんで下さい…メイドに新しい紅茶を持たせますので、行こうルイーゼ!」
「でも…旦那様、お義母様が……」
ロバート伯爵とルイーゼ夫人が椅子から立ち上がると母親と一緒にいた女性がルイーゼ夫人に声を掛けていた。
「ルイーゼ!?」
「えっ?……カレン……!?」
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