第4話胸の痛み
「ルイーゼ?!」
「カレン!」
ベンチでロバートとクッキーを一緒に食べていたルイーゼは歩いて近付くカレンの声に気が付いた。
「やっぱりルイーゼだった最近教室にも居ないから何処に行ったのかと探したわ」
カレンはベンチに近付きロバートを見ていた。
「……ルイーゼ彼は?」
「えっ、あっ、以前私が倒れそうに成った時助けてくれたロバート様よ」
「ああっ…あの時の……」
カレンはロバートを見てルイーゼが倒れ掛けた時に支えてくれたのを思い出しロバートに挨拶をした。
「初めましてロバート様、わたくしはルイーゼの親友カレンと申します」
「初めましてカレンさん、確か君はユリウスの側を他の女子達と一緒に居た子だったよね」
「えーっ、ご存知だったのですか!?」
「ああっ、僕もユリウスと一緒に居た時も君を見掛けたからね」
「やだ~っ、恥ずかしいわ!ねぇ、ルイーゼ隣に座っても良いかしら?」
「え!?……うん」
「有り難う、真ん中を失礼しますロバート様」
「ああっ、どうぞ」
カレンは二人の間を挟みロバートとの会話に夢中だった。
「私、先週やっとユリウス様とお茶を一緒にする事が出来たのですが、ユリーナ様が邪魔…いえ、突然お茶の席に来られまして勝手にユリウス様の隣に座り、私と一緒に居ました女子二人に見せ付ける様に、ユリウス様にテーブルに置いて居ましたお菓子を口元にやって見せ付けたのですよ、信じらんない!」
カレンはぷーっと頬を脹らませお茶の席での出来事を思い出していた。
「ははは、大変だったね」
「笑い事では在りませんロバート様」
怒る様に笑うカレンの身体はロバートの方へと向いたまま、ルイーゼは一人会話の中に入る事が出来ずカレンの後ろ姿と笑顔を見せてカレンを見るロバートに胸が苦しくなるのだった。
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