第55話 いいわけ。あるいは「哀しくても、笑顔を」
*
ブブ。
と、作者のスマートフォンが鳴った。
その番号を見て作者は『めずらしいひとからだ……』と、一瞬出るのをためらったが、それでも、特段やましいことは抱えていなかったし、特に不都合もないだろう……と、少し緊張しながらではあるが、その電話に出ることにした。
「はい。もしもし?ああ、いえいえ、ご無沙汰しております。ええ、はいはい。ああ、読んで頂いたんですか?いやいや、もうもう、あくまで個人の趣味ですんで、好きなように書かしていただ……え?ああ……はあ。新宿が?……ロンドンも?……ええ、じゃあ、それは、何と言いますか……言い訳?みたいなものを?……はあ、『いつでも逃げ道は確保しておくように、と仲達も言っている』?……なるほど。でも、もう書き終わっちゃいましたよ?……はあはあ、幸いにも固有名詞は出していない……でも、それなら。……ああ、念押しってことですね。はあ、じゃあ、まあ、こちらの登場人物一覧でも出しておきましょうか?それなら完全に違う話だと……え?『それで上手く行くかは、《神のみぞ知る》だけれど、やれることは何でもやっておけ』?……でも、そこまで新宿やロンドンに忖……はいはい。分かりました。分かりましたよ!……じゃあ、登場人物一覧でも書いて、お茶を濁しておきますね」
カタン。
と、電話を切ってから作者は、少しの間なにかを想っていたが、砂糖を抜いたコーヒーを一口すすると、今しがたテーブルに置いたばかりのスマートフォンを取り上げ、そのプレイリストの中から、高野寛の1995年のアルバム『Sorrow and Smile (哀しくても、笑顔を)』収録の「夢の中で会えるでしょう」をかけた。
何故、この曲を選んだのかと言うと……いや、まあ、そこまで説明する必要もないだろう。
と、云うことで、以下は、その時に書いた、本編の登場人物一覧である。
*
登場人物一覧 (登場順)
*()内は年齢。不明の場合は (-)と印す。
音主の女性 (-):軍人。極右運動家。
音主の男性A (-):軍人。女性の部下。
音主の男性B (-):軍人。女性の部下。
音主の男性C (-):軍人。技術士官。
成宮瑛人 (58):量子物理学者。南仁賀志大学教授。1960年4月21日生まれ。
男子学生 (19):南仁賀志大学学生。量子物理学志望。
樫山泰治 (58):環境保護局自然調査員。1960年8月7日生まれ。
小張千春 (25)(26):警察官。石神井警察署勤務。1992年12月25日生まれ。
A氏夫人 (59):主婦 (故人)。
B嬢 (26):アルバイター。
A氏 (62):富士見台在住の穀物商。
樫山巴 (58):主婦。泰治の妻。旧姓「平」。1960年5月11日生まれ。
秋月佳奈子 (25):警察官。石神井警察署交通課所属。1993年5月4日生まれ。
松井茂 (60):刑事。警視庁捜査一課一係所属。1958年6月1日生まれ。
新津修一 (62):警察官。石神井警察署副署長。1956年8月6日生まれ。
木村栄 (59)(9):主婦。
木村敦 (62):不動産会社経営。栄の夫。
ライリー・ストーン (26):タイムパトローラー。2002年8月1日生まれ。
女学生A (21):南仁賀志大学学生。量子物理学専攻。成宮ゼミ所属。
女学生B (20):南仁賀志大学学生。英文学史専攻。
Mr.B (-):無定形知的生命体。超空間に棲息。
女性型マネキン (-):音主の女性が操る地球製のマネキン人形。
茂木和楽 (56):漫画家。旧姓「猪熊」。1962年5月17日生まれ。
佐倉八千代 (15):都立高校一年。2003年8月6日生まれ。
黄三花 (61):旅行コーディネーター。1957年5月6日生まれ。
人形を抱いた女性 (-):40代後半。
男性A (-):人形を抱いた女性の夫。50代前半。
畑中健乃 (25):警察官。石神井警察署交通課所属。1994年1月2日生まれ。
男性型マネキンA (-):男性Aが操る地球製のマネキン人形。
男性型マネキンB (-):男性Bが操る地球製のマネキン人形。
男性型マネキンC (-):男性Cが操る地球製のマネキン人形。
キム=アイスオブシディアン (14):タイムパトロール本部科学部門責任者。
カシヤマ・F・ヤスシ (42):万年締切りに追われる三流小説家。
絶世の美女 (-):自由に時を行き来する絶世の美女。
望月伊沙子 (26):雑誌編集者。
日高洋輔 (20):警察官。石神井公園駅前交番勤務。
ジェイムズ・ストーン (48):ライリーの父親。
メアリー・ストーン (46):ライリーの母親。
物理学者A (-):1971年に原子時計を使用した 《時間の遅れ効果》実験を行う。
物理学者B (-):物理学者Aの共同研究者。
原子時計A (-):物理学者A&Bの実験に付き合わされる。
原子時計B (-):物理学者A&Bの実験に付き合わされる。
星間連合幹部A (-):12名からなる連合倫理委員会のメンバー。
星間連合幹部B (-):12名からなる連合倫理委員会のメンバー。
星間連合幹部C (-):12名からなる連合倫理委員会のメンバー。ユダはこいつ。
星間連合幹部D (-):12名からなる連合倫理委員会のメンバー。
星間連合幹部E (-):12名からなる連合倫理委員会のメンバー。
キム=オブシビダン (84):地球五カ国共同派遣団副団長。アイスオブシディアンの曾々々祖父。
ある医者 (972):《時主》族のひとり。宇宙中を旅して廻っている。
警察官A (-):石神井警察署署員。
警察官B (-):石神井警察署署員。
警察官C (-):石神井警察署署員。
安原和美 (72):「カズちゃん弁当」店主。1947年1月2日生まれ。
小林コハリ (1):ボーダーコリー。メス。
小林日出夫 (65):無職。年金生活中。
小林美津子 (61):主婦。日出夫の妻。
ケヤキのボブ (60):石神井公園けやき広場に立つケヤキの木。
ケヤキのアディー (50):石神井公園けやき広場に立つケヤキの木。カワイコちゃん。
小石を投げる男の子 (4):幼稚園児。練馬区石神井町3丁目在住。
営業マン (31):土木工事会社「ジンデンコーポレーション」勤務。
フラウス・プラキディウス・ランベルト (36):または、ランベルト三世。 統一西銀河帝国皇帝。ランベルト一世の孫、コンスタンティウス四世の息子。
HCW=VD七型の3 (11):通称ナミ。医療従事ロボット。ワクチン開発型。
近侍宦官A~L (3~6):ランベルト三世直属の12人の宦官。全員クローンで、誰かが死ぬと全く同じ宦官が供給される。
アカネズミA (-):富士山麓青木ヶ原樹海で暮らす。
アカネズミB (-):富士山麓青木ヶ原樹海で暮らす。Aの同性パートナー。
主婦A (28):川崎市多摩区登戸在住。
主婦B (27):川崎市多摩区登戸在住。主婦Aの高校時代からの友人。
ベレー帽の男性 (35):漫画家。1933年生まれ。
夫人 (-):ベレー帽の男性の奥さま。
長女 (-):ベレー帽の男性の娘さん。
次女 (-):ベレー帽の男性の娘さん。まだ赤ちゃんですね。
むぎしん (-):白ぶちのノラネコ。
ポロンちゃんA (-):ピンクのおきあがりこぼし人形。こちらがオリジナル。
ポロンちゃんB (-):ピンクのおきあがりこぼし人形。こちらが小張たちが購入した方。
樫山泰士 (-):本作品の作者。
インタビュアー (-):『季刊・医師団』編集部所属。
HCW=MD二型の1 (9):通称イチ。医療従事ロボット。従軍医師型。
女の子 (-):古井戸の中から救出され、将来は医学の道に進む。
男性 (-):ロボット工学を志し、上の女の子と結婚する。
以上。
皆さん、お疲れさまでした。
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