気づいてる


一方の由香は、もう味も薄くなっているだろうジュースをいつまでも飲み終わろうとしない私に気付いていた。


「・・・」


ふと思う。今は、お互いにカレシもいなければ旦那さんもいないから自由な時間は多いけど、それもいつかは・・・・・と考えるとそうなってもないのにひどく寂しさが押し寄せてきた。


そう、いつまでもこのフードコートにいるわけにもいかないもんな。

危うく溜め息が出そうになってしまった自分をいなす。


お互いの会社の事とか、近状を話しあって楽しかった。


少し重い足取りで、けれどいつもと変わらない口調で駄弁りながら足は自然と駐車してある車に向かった。別に今生の別れじゃあるまいし。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る