第16話 大型熊【ビッグフレアベアー】

「じゃあ早速行こうか」


そう俺は言って俺は、ザラと共にヒルラード平原へ向かった。なおこの時あえて空間魔法を使わなかった。まだ会って数分の人の前で、この世界だと誰も使えない魔法を使うのは情報流出の観点でいけないような気がしたからだった。


「ザラ君はどういった攻撃タイプなの?」


「僕は基本的に前衛かな…武器は剣を使うよ。あ、あと僕のことは呼び捨てでいいよ!」


そういってザラはステータス画面を見せてきた。


ザラ・クリアルト Lv24

 職業 冒険者

 体力 912

 攻撃力 1420

 防御力 720

 素早さ 1402

 魔力 751

《EXスキル》

 探知無効化

《スキル》

 剣術

 探知

 隠蔽


…攻撃力がエゲツなくないか!?というかステータスを他人に開示できたのかよ…先生それは教えてくれよ…


《賢者の知識:言われていませんでしたので…》


そりゃ確かにそうだな…と1人で勝手に思考を広げていると、


「タイガ君は魔法使いだよね?どんな魔法が使えるの?」


と聞かれた。魔法に関しては正直に(空間魔法以外だが)答えるつもりだったので、


「一応火属性と水属性と雷属性は使えるけど…」


「へぇ〜3属性持ちなんだ!」


と驚いていた。確か前に先生が「基本的に1人1属性しか持てない」って言ってたから珍しいっちゃ珍しいんだろうけどね…


「まぁそんな感じだから援護射撃は任せてくれ。その分前衛でザラが無双してくれよ!」


というと、


「わかった!じゃあ改めて行こうか」


といった感じでヒルラード平原向かうのだった。


「…で、あいつが今回の依頼対象の熊?」


「そう、みたいだね…」


ヒルラード平原に着いてから30分後、俺達は今回の依頼対象の大型熊を見つけた。しかしそれは…


「…火を噴いているやつが熊と言えるかよ!」


と驚くほどの奴だった。全長10m近く、さらには口から火を噴いていたからだ。さすがの俺も口から火を噴く熊なんて見たことがなかったぜ…そんなことを考え、『神鑑定』でその熊を見てみる。すると、


【ビッグフレアベアー】 Lv47


との名前とレベルが出てきた。


「タイガ君!奴がこっちに来るよ!」


「マジか!すぐに応戦する!」


そういって地獄の昇級試験が幕を開けたのだった。

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