第13話 『大陸』
「なるほど。魔法隠蔽機能が働いている上に突発型魔宮とはね…これはあのあたり一帯を危険域に指定しないといけないみたいだね…」
「あの〜そういや危険域ってなんですか?」
「ああ、そういや教えていなかったね。魔物の領域や魔宮にはクラス分けがされているんだ。特別な危険がない所が通常域、ヒルラード平原がこれに当たるね。その次に注意領域、下級冒険者達は危険な場所の時に指定されるんだ。そして最後に危険域。ここはとても危険で上級冒険者でも立ち入るのを禁止しているほどなんだ。」
「なるほど…ってことはこの魔宮もそうなる可能性が高いと?」
「ああ。ヒルラードにある冒険者ギルドだけではなく、この国の王都にある冒険者ギルド本部の幹部連中とも話をして決めないといけないが、この機能に突発型魔宮ともなれば間違えないだろうね…」
「(なぁ先生。この国の名前と王都って何だ?)」
《賢者の知識:この国の名前は『モルターナ王国』といい王都は『モルタシア』というようです》
「(サンキュー)」
「まぁなにがともあれ任務とその報告ご苦労だった。礼、といっては何だが何か聞きたいことはないかい?」
「聞きたいことですか…ではこの世界のことについて聞きたいのですが…」
「この世界のこと?一体どういうことだ?」
「俺は田舎者なもんで…」
苦しい嘘だがしょうがない。もし俺が転生者だなんて言ったらどういったことになるのか…想像しただけでも身震いするよ全く…
「そうか…じゃあまずこの大陸のことについてだ。この国の名前は流石に知っているよな?」
「『モルターナ王国』ですよね」
「そうだ」
「流石にそれは知っていますって(先生に教えてもらったんだけどな)」
「そりゃそうだよな。そしてこの国は『中央大陸』という場所に存在している。ここまではいけるかな?」
「はい。続けてください」
「分かった。この『中央大陸』の他にも大陸は存在するんだ。『中央大陸』の東側にあるのが『東方大陸』、西側は『西方大陸』、北側は『聖大陸』、そして南側は『魔大陸』といった名前がそれぞれつけられているんだ」
「ちょ、ちょっとまってください。『東方大陸』と『西方大陸』の名前の由来は分かりました。しかしなぜ北にある大陸は『聖大陸』、南にある大陸は『魔大陸』なのですか?」
「…すまないな、タイガ君。私も流石にそこまではわからないのだよ。ある程度冒険者に慣れたら実際に行ってみてはどうかな?」
「せっかくですからね。慣れたら行ってみたいと思います。いろいろありがとうございました!」
「こちらこそ!君のおかげで冒険者達の危険が少しでも減ったからこっちがお礼をするべきだよ。ありがとう!」
そういった話し合いの後、俺はギルドマスターの元から立ち去ったのだった。
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