第一章 中央大陸

モルターナ王国編

第1話 神様

一体何時間経ったのだろう。久しぶりにここまで寝られたような気がする。


「ふわぁぁぁ…」


大きなあくびをして、何か食べようと動こうとする。そこでやっとここが俺の部屋ではないことに気がついた。


「ええええ!?」


ここはどこだろう。周りが真っ白で何も見えない…


「お、ようやく目を覚ましたんだね。おはよう〜」


そんなのんきな声が聞こえたのでその方向を見ると、ラフな格好に身を包んだ13歳くらいの男の子がいた。


「君は一体…」


思わず呟いていた。ただならぬ雰囲気をまとっているのは分かるのだが…


「僕はアルト。この世界を創った全能神の一柱にして君をここに呼び出した張本人だよ」


「…は?」


「え、なんで俺呼ばれたんですか?まさか俺死んだ?」


「いやいや、君は死んでいないよ。生きたままこの世界に連れて来たんだ」


「…いやいや誘拐じゃん!」


「大丈夫。この世界に神様に対する罰はないから安心して。それで君にはこの世界に移住s」


「いや、元の世界に戻せよ!」


「…残念だけどそれはできないんだ。君は向こうの世界…チキュウって言うんだっけ?まぁそこでは死んだことになっているから」


え、マジかよ…ストレスはたまっていたとはいえ向こうの世界では暮らしに困ることはなかったのだから…


「大丈夫!この世界でも困らないようにしてあげるから!『ステータス・オープン』って叫べばステータスが見えるようにしてあるから!じゃあこの世界で頑張って生きてね〜」


「いや、ちょ、ちょっと待ってってば〜」


その言葉が終わる前に俺は光に包まれて、奇妙な浮遊感と共にどこかへ飛ばされるのだった。

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