コンビニでの出会いで

高校生活も一ヶ月が過ぎてくると俺の立ち位置がだいたい見えてくる。

と呼ばれるのを最初はいちいち否定していたが最近はさすがに否定することも面倒くさくなってきた。

クラスメイトにイジられても風になびく柳の様にやり過ごす事にだんだん慣れてきた。


朝、コンビニに寄ってパンと赤いきつねを買おうと思ったら同じ制服を着た女子に遭遇した。

まぁ俺は空気の様な存在だし何か起こる事も無いだろうと、レジ前で彼女の後ろに並んだ。

別に彼女が何を買ったかなんて興味も無いし・・・

俺が後ろに並んだ事ですらたぶん気が付いて無いだろう。

彼女がお金を払おうと台の上に財布を置いた時、何か商品が床にコトリと落ちた。

俺は拾ってあげようと後ろから手を伸ばしたら・・・

それがコン○ームである事に気がつく。

俺の伸ばした手は彼女の手と重なった。

慌てて俺は手を引っ込めて彼女の方を見たら目があった。

彼女の顔がみるみる赤くなって行く。

後ろ姿しか見てなかったので気が付かなかったが・・・

彼女がクラスのマドンナ的存在の鈴木里奈である事に気がつく。

彼女はそそくさと会計を済ませ店を出ていった。

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