流れ星
海や川に水が必要なように、銀河にとっても水は必要だった。
あの星々は実は水なのだ。
だけど、星空の海の上を航るのに必要なのは船なんかじゃない。
忘れ去られたひとつの列車に乗り込めばいい。
それは人々が心の奥底で生み出した物、何処までも遠くに行ける列車は人々を拒まない。
優しい匂いがしたり、古くさい音がしたり。
誰かが望んだ姿がそこにはある。
ただ、誰もが乗れるわけじゃない。
列車に乗るためには招待状を受けとらなければいけない。
招待状を持たない者は列車を見ることすらできないのだから。
招待状さえあれば列車は星が流れるたびに人々を迎えに来るんだ。
例え、相手が拒もうとも。
「元気ですか? 君はどうやっても帰ってこなかったけど、きっと何か訳があったんだとわかってます。だから君が心配しないように、さみしいなんて言いません。でも、さよならも言いません。君への手紙はこれで最後にします。この手紙がどうか君に届きますように」
銀河がまるで泣いたかのように星が流れたあの日、君はいなくなった。
それは、必然だったのかも知れない。
君が招待状を受けとった時に、そばに僕がいなかったのも運命だったんだ。
だから、信じてるよ。
また君に会えるって。
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