彼女=ペンギン

窓から金色がストンと差し込んだ。

夢うつつな僕のこめかみの辺りに差し込んだそれは僕の意識を覚醒させる。

おはよう、瞬き一つ。

遠くのほうから笛の音が聞こえる。

もう12時なのか。

彼女はどこに行ったのだろう。

僕の彼女はペンギンである。

訂正。

僕の彼女はペンギンが好きすぎた結果、ペンギンの格好をしている。

「起きたのかい?」

 扉をスライドをさせてぬっと皇帝ペンギンが顔をだして聞いてきた。

ぎょろりとした目が此方を見た、ような気がする。

着ぐるみパジャマのような可愛らしいものではなく、リアルな着ぐるみである。

彼女の手作りのものでちゃんと嘴が開く仕様だ。

最後に顔を見たのはいつだったか思い出せない。

「さあ、ご飯にしよう」

 ペチペチと彼女が動くのを目で追う。

僕の彼女はペンギンである。

たまに鬱陶しいと思うけど、僕はそれでも彼女を愛してる。

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