朝ご飯

半熟の目玉焼きとカリーブルスト、それから綺麗な焼け目のトースター、ガラスの器に盛られたサラダ、最後にコーヒーとカフェオレ。

それが僕達の朝ごはん。

本当はブレートヒェンにバターやジャムを塗って、ブルストやハム、ゆで卵を並べたいが、家の近くのパン屋に置いていなくて諦めた。

リリアちゃんは朝が弱いから自然と僕の好んだメニューになってしまうのはご愛嬌。

換気のために開けた窓からは気持ちいい朝の風が入り込んでくる。

白いレースカーテンが内緒話をするように揺ら揺らと動いていた。

「そろそろ起こしに行かないと……」

 リリアちゃんを起こしに行く時は、少しだけ気合を入れないといけない。

寝起きの掠れた声で甘えるように僕の名前を呼んで、ベッドの中に引きずり込もうとするからだ。

掴まってしまえば、朝ごはんが昼ごはんに変わってしまう。

「……たまには自分で起きてくれてもいいのに」

 まぁ、こうやって起こしにいくのも好きだけど。

それに寝起きのトロッとした声音を独占できることが嬉しい。

なんて考えてるうちに2人の寝室についた。

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