第201話 フローラの願い
深夜、欲求不満で寝付けないでいると、誰かがオレの部屋へ入ってきた。
天井から差し込む月の光に浮かび上がったのは、
オレは起き上がり、灯りを
「待って、灯りは
それは、第1王女フローラの声であった。
「なぜ、フローラがここへ…」
突然のことにオレは、驚いた。
「カイトさま、何も言わず、私を抱いて下さい」
「えっ!」
オレはその言葉に絶句した。
「これは、アリエスとジェスティーナも承知していることなの…」
そう言うとフローラは、
その夜、アリエスとジェスティーナがフローラの部屋を訪れ、王女3姉妹が肩を並べ結婚前最後の夜を語り合ったそうだ。
話は当然の如くライアス王太子が、街でアリエスとジェスティーナをナンパした話となった。
フローラにとって、晴天の霹靂のようなその話は、妹たちの言葉とは言え、
そこでフローラ王女の世話をしているクリスタリア王宮付きの侍女を呼び、真偽を問いただしたところ、包み隠さず話してくれたのだ。
王太子の本性は、稀代のプレイボーイで女たらしという事は、王宮内では周知の事実だった。
街へ出て女をナンパするのは日常茶飯事。
しかも婚姻前にも拘わらず、既にお気に入りの愛妾が数人おり、中には子を成した女までいるそうだ。
この婚姻は政略結婚であり、王太子との間に愛は無く、フローラはお飾りの王太子妃となるのだと、その時悟ったのだ。
ならばと、妹2人にオレへの秘めたる想いを打ち明けたのである。
2人は、フローラの想いを理解し、それならば今夜が最後のチャンス、オレに抱いてもらえば良いと云う話になり、彼女は背中を押され一大決心をして、オレの
「初めてお会いした時から、貴方に惹かれていました。
ジェスティーナを盗賊の手からお救いになり、そして婚約者となられ、2人で仲睦まじく過ごす姿を見て、私は嫉妬さえ覚えました」
「その内、何の因果かアリエスも2人目の婚約者となった時は、もっと積極的に自分の想いを伝えれば良かったと後悔しました」
「カイトさま、一生のお願いです。
私を抱いて下さい。
このことは、私の胸に秘めたまま墓場まで持っていきますから…」
フローラ王女に、そこまで想われていたとは、男冥利に尽きると云うものだ。
しかし、クラウス国王との約束もある。
フローラには手を出さんでくれと、念を押されていたのだ。
倫理的に考えれば、完全にアウトであるが、かと言って一大決心してオレの
それに、このことはジェスティーナもアリエスも承知しており、姉の想いを叶えてあげようと気遣ってくれたこと。
しかもこの機を逃すと、明日には王太子の妃となり、もう2度とオレへの想いを叶えることは出来ないだろう。
「フローラ、オレで良ければ、君の願いを叶えよう」
オレは心を決めた。
「カイトさま…
わたし、嬉しい」
オレはフローラを抱き寄せた。
すると、薔薇のような甘い女の匂いがオレを包み、鼻孔をくすぐった。
オレはフローラの手を取り、花のような可愛い唇に口づけした。
フローラはオレの口づけに答えて、背中へ手を回した。
オレは、フローラの着ているものを1枚ずつ脱がしていった。
最後に小さな布キレを取りさると、フローラは生まれたままの姿になった。
オレのスキル『魅了』が効いているにしても、そこまでオレを慕ってくれていたとは。
フローラがここへ来る決意をしたのは、並大抵のことでは無い筈だ。
色々な
しかし、このまま事に及んでフローラを
オレは、トリンが造ったラブポーションをフローラに渡した。
フローラはオレが話すラブポーションの効能を理解すると、小瓶の中身を喉に流し込み、ベッドへと横たわった。
天窓から差し込む光に浮かび上がるフローラの裸体は、神々しいまでに美しかった。
透き通るほどに白い肌、靭やかな長い脚、芸術的なボディライン、細く括れた腰、大きく張りのある形の良い乳房、美の女神のような見事なプロポーションだ。
澄んだエメラルドブルーの瞳、見惚れてしまうくらいに美しい顔立ち、サラサラで艶やかな腰までの金色の髪、思わず息を飲むほどの超絶美女だ。
オレはフローラを抱きしめ、鮮やかな桜色の唇に優しく口づけし、やがて舌を絡ませて濃厚なディープキスに至る。
オレの右手が、形の良い乳房を優しく揉みしだくとフローラは声を漏らした。
そして唇から耳たぶ、うなじへとゆっくりと舌を這わす。
そこから更に下がり、張りのある乳房を舐め、ピンク色の乳首を何度も攻める。
頃合いを見て少しずつ下がって行くと、そこは滴るほどに潤っている。
既にフローラの受け入れ準備は整ったようだ。
「フローラ、力を抜いて…」
そう言って両脚を開き、ゆっくりと体を沈めた。
♡ ♡ ♡ ♡ ♡
フローラの奥は狭く、先へ進むには時間が必要だった。
手を繋ぎ、お互いを見つめ合い、何度も優しくキスして、少しずつゆっくりと進んだ。
しばらくは、そのままの状態で動かず、静かに腰を動かす。
中が馴染んだ頃合いを見計らい、少しずつ動きを早めると喘ぎ声の中に嗚咽が交じるようになった。
中心部が十分に馴染んだことを確認し、腰の動きを早めると、フローラは涙を流し
ゆっくりと時間を掛け、徐々に高め合いながら、お互いを求め、やがて絶頂に到達するとオレはフローラと同時に果てた。
そのままフローラを抱きしめ、優しくキスしながら余韻を愉しむ。
「あなたとひとつに成れて嬉しい…
初めてだったけど、キモチ良かったです」とフローラが微笑んだ。
「もう1回、いいですか?」
オレは無言で頷き、第2ラウンドへ突入した。
今度はフローラを膝の上に抱え、腰を抱えながら、座ったまま対面で愛しあった。
目の前でフローラが仰け反り、頬を紅く染め何度も恍惚の表情を見せるのが、何とも言えずエロい。
吸い付くような
フローラの快感も徐々に高まり、下腹部をピクピクと痙攣させながら声を上げ
やがてお互いに2度めの絶頂に近づくとオレはフローラの細い腰を両手で抱え、快感を
オレとフローラは、抱き合ったまま快楽の余韻を愉しんだ。
3度におよぶ愛の営みが終わり、ベッドの中で息を切らしながら、フローラはこう言った。
「カイト様、ありがとうございます。
私の願いが、ようやく叶いました。
これで、思い残すこと無く嫁ぐことが出来ます。
カイト様との
フローラの悲壮な決意を聞き、何とかしてやりたいと思ったが、今のオレにはどうすることも出来ないのだ。
フローラは、無言でオレに口づけすると、身だしなみを整え、静かに部屋を出て行った。
その時、英知の指輪が光り、ステータス画面が表示された。
そして「王女3姉妹コンプリートおめでとう!」の文字が浮かび上がった。
もしかして、これはクエストだったのか?
視線を感じ、そちらに目をやると、隣のベッドで布団を被ったまま、じっとこちらを見ているレイチェルがいた。
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