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     4.



『きゃー! もふもふー。ふわふわしっぽ!!』

『こら。引っ張るな…!』


(何で俺が、こんな真似を───)




『ねぇねぇ、ぬえさん! 母さんのお話、聞かせて!』

『ああ?!』


(また、家を抜け出してきやがったな。このガキ──!!)




『何で、そんな意地悪な事ばっか言うの!? 昔の鵺さんの方がもっと優しかったよ?!』

『喧しい! さっさと家に帰れ──!!』


(風邪でも引いてみろ! 面倒くせぇ…!!)






『はははは。随分とまた───』

『…お前、帰ってきてたのか……』

『また、直ぐに立たねばならないが。…どうだ? 希死念慮だなんて、そんな暇もないだろう』

『お陰様だよ、糞女…!!』


 何が変わった訳でもない筈だった。






『鵺さん、鵺さん、どうしよ! 八代さんね、伊雪さんと婚姻するんだって!』

『そうかよ。あんの糞ガキがな──…』


(そう言う。こいつも、いつかは………)






 幾つもの節目を見てきた。いつまでも、あの言葉に囚われ続けてきた。その意味を理解するまで。…いつか、報われるまで──と。



 

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