第9話 事案発生

鳥居たちは四谷の部屋に侵入した。四谷も箱崎もお互いに言葉がつまり、重苦しい時に・・・


鳥居「よー、友助。どうだ、女になった感想は」

四谷「てめー。また酔っぱらっているな?」

鳥居「まあ、お前も呑め呑め。ここは異世界だから未成年が酒飲んじゃいけないって法律は無いぜ」

箱崎「だ、ダメだよ。法律とか、そんなんじゃなく私たちにお酒はまだ早いって」

鳥居「紅末ちゃん。固いっこは無しだよ。それに呑ませることで本音が出るってもんだ。ラブ&ピース!」

宇喜多「まあ、これからの事もあるから親睦は大事だよ」

箱崎「うーん。四谷君の本音が聞けるなら、アリかも?」


・・・・・酒盛りは始まった・・・


箱崎「だからですねえ・・・四谷君って酷いんですよ」

鳥居「ダメだ。完全に絡み酒だ。」

箱崎「こっちの世界に来てから、カハベルさんとかアォユーさんにもてたり」

四谷「いや、あれは勇者補正とか吊り橋効果って奴だよ」

箱崎「四谷君の態度が、この世界の人達と私たちに対して違いすぎる」

四谷「この世界の人は、俺たちと違って怪我をしてもすぐに治らないし、死んだら蘇生しない。俺たちは死んでも数十秒で蘇生する」

箱崎「カハベルさんを助けたのは?」

四谷「考えるより前に助けるべきだと思った。おれはあの人の事はNPCだと思っていた。この異世界もゲームのようなバーチャルだと思っていた」

二繁「俺は異世界転生キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!って思ったけど、違った」

四谷「おれは、あの人をクエスト攻略に利用しただけだった。あの人の気持ちなんて、少しも考えたことは無かった。」


四谷「五週目のはじめに、カハベルさんに再開した時、俺は夜明け前に呼び出されて、城壁の上で昇る朝日を見ているときにカハベルさんにコクられてキスをした」

箱崎「知っている。衣宇ちゃんが『面白いものが見えそう』って言うから尾行していた。あんな形の失恋もあるんだね。」

四谷「6週目でコルトネルに行った時は、もうカハベルさんは死んでいた。この世界の人達の寿命は俺たちの世界みたいに医療が発達していないから長生きできないと思っていたけど早すぎだろ・・・たぶん、俺が生物魔法を使いすぎたせいで新陳代謝が早くなりすぎたせいかもしれない」


鳥居「そんな湿っぽい話ばっかりすんなよ。と言うよりさ、紅末ちゃんは結局、四谷のこと、どう思っているの?好きなの?嫌いなの?」

箱崎「わかんない。何度も助けてくれたことはあるけど、それはクエスト達成のために誰にでも振りまく偽りのやさしさっぽいし、平気で人を見捨てようとするところは嫌い」

四谷「反省しています」


・・・呑みすぎた紅末は倒れこんだ。


鳥居「ま、俺のことも内心、バカにしまくっていたのバレバレだぜ」

二繁「俺も無能扱いされたし、俺みたいな奴をぶっ殺すために生まれてきたとか言われた」

宇喜多「うは、想像以上に外道だったんだね。こんな協調性皆無な奴がリーダーで、いままでよくクエストクリアできたもんだ」

四谷「リーダーとか、俺からそう言った覚えは無いよ。人望とか、そういうのは新堂さんやグレンさんに任せている」

鳥居「で、友助。お前はこれからどうするんだ?男に戻る道を模索するか、それとも女になって俺に抱かれるか・・・」

四谷「なんで、俺がお前に抱かれなきゃダメなんだよ。だいたいお前は新堂さん狙いじゃなかったのかよ」

鳥居「新堂さんを狙っているのは本気だ。お前はあくまでも性欲の捌け口だ」

二繁「おい、本気でやるのか?」

宇喜多「無理やりってのはどうかと」

鳥居「なんだと?お前らヘナチョコ魔法使いが戦士の俺に勝てるとおもっているのか?」

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