第8話 性転換主人公・レイプされてしまう。

勇者一行を載せた船はイジャ大陸の港町・バクーに到着した・


鳥居「あー、やっと着いた。船の上ってのは、酒で酔っぱらうのと違ってキモチワリーイわ。」

箱崎「地面が揺れないって、それだけでも嬉しい」

四谷「グレンダさんも 気分は良くなりましたか」


グレン「あー。だいぶマシになった。船酔いってのは父親に強姦されたのを思い出す」

四谷「え・・・あまりいい人生じゃなかったって聞きましたが、それは・・」


グレン「紅末には言ったけど、私の父はイラク戦争帰りの陸軍兵士だった。戦友を殺されたり、相手も沢山殺したそうだ。医者からPTSDと診断されて除隊した。心に傷を負った父は酒とドラッグに溺れた。やがて私に当時の現場の写真を見せるようになった。来る日も来る日も・・・父の戦友やイラク人たちの死体の写真をね。

『俺は国を守って戦った。守られたお前たちは俺に感謝する義務がある』って」


グレン「やがて母は家を飛び出し、残された父は私をレイプした。そのせいで私は男性恐怖症になったよ。ハイスクールのクラスメイトの女子にそれを話したら、彼女は私を受け入れてくれた。それ以来、私の恋愛対象は女性だけさ。」


四谷「それで、どうなったんですか?」

グレン「『私は女性が好きになったから子供を産むつもりはない。あんたの性暴力はもうたくさんだ』と言ったら、LBGTなど趣味と思っている父は私にライフルを向けてきた。それが別れだ。それ以来、世界中を転々としている

箱崎「その判断は、良かったと思います。」


俺たち勇者一行は、その日はバクーで情報収集し、街の宿屋に泊まり、英気を養うことにした。


宿の部屋割りは鳥居・二繁・宇喜多の男3人と、新堂・時館・グレンの3人、そして四谷と箱崎が2人部屋になった。



箱崎「四谷君とは、この際、きっちり話したいと思っていた」

四谷(まあ、恋愛絡みとかじゃねーんだろうなあ。俺の中二病・独善思想に対する説教だな)

四谷「はい。」

箱崎「四谷君は凄いと思う。でも目的のために手段を選ばず、人の気持ちを大事にしないのはどうかと思う。前にも言ったよね。人って命さえ助かればいいってものじゃないって」

四谷「4週目の冒頭、新堂さんが盗賊団に捕まった時だね」

箱崎「私と由香ちゃんは二人で衣宇ちゃんを助けに行ったけど」

四谷「反対に返り討ちに遭って3人とも牢屋に閉じ込められた」

箱崎「そのときね、私、盗賊団の人に強姦されそうになったの」

箱崎「衣宇ちゃんが風魔法で盗賊団の人を吹っ飛ばして助かったけど、もっと大勢の男の人達に襲われていたら、みんな犯されていた」

四谷「すいません。あの時は、クエストクリアすれば問題ないと思っていたし、だいたい俺も一緒に行っても盗賊団には勝てなくて詰んだと思う。コルトネルで武闘大会で優勝し、それから・・」

箱崎「一回戦でカハベルさんに負けちゃったんでしょ」

四谷「そうです。でもカハベルさんと一緒にコルトネルの軍隊を連れて盗賊団討伐してみんな助かった。」

四谷「俺は一人が好きだ。単独行動でなんとかなると思っていた。体力には自信があったし、頭脳戦でもそこそこ行けるとおもっていた。でも違った。」


箱崎「一人で出来ることなんて、たがが知れているよ」

四谷「そう。話は飛ぶけど、ネアンデルタール人って、いまの俺たちの先祖より体は強く、頭もよかったそうだ。でも、氷河期を生き残ったのはネアンデルタールじゃなく俺たちの先祖のホモサピエンスだ。」

四谷「ホモサピエンスは個としての力は弱かったけど、集団を作ってみんなが協力することで生き残った。俺は・・・ネアンデルタール人みたいなものだった」

箱崎「・・・・・・・・」

四谷「人に頼るんじゃなく、自分一人でなんとかできると思っていた」

箱崎「そうね。結局、私たちを助けてくれたのは四谷君一人の力じゃなかった」

四谷「7週目でも、ジャンガニーさん、ジャードォーさん、そしてファティナ様が居なければどうしょうもなかった」


箱崎「四谷君の故郷の山が、東京のゼネコンに買われて、そこにあった秘密基地も壊された事は知っている。いまの人間社会を憎んでいることも・・でも、それだけで四谷君が人類を滅ぼそうとするわけじゃないよね」

箱崎「教えて、何が四谷君は心を閉ざすようになったの?」



その晩、事件は起こった。どこから手に入れたのか鳥居は酒を手に入れ、二繁・宇喜多らと酒盛りを始めていた。



二繁「鳥居は新堂さん狙いなんでしょ?」

鳥居「まーな・・・でも、もうずーっと口説いているけどちっとも靡かないんだよなあ。衣宇。まあ、100回口説いて100回フラれても、101回目で落ちるかもしれんから、諦めねえぜ。そういう二繁は時館に惚の字なんだって?」

二繁「あの子、二次元のイケメンキャラが恋愛対象みたいですけど」

鳥居「ふたしげーー。分かってないなア。女なんて 結局、抱いてしまえばこっちのもんなんだぜ。」


鳥居「しかし、なんだなあ。四谷の奴。本当に女になっちまっているなあ。なんか良い匂いもする。乳もデカイよなあ。」

宇喜多「職業・娼婦だったけ・・・あれって、なにがしか男を誘惑するフェロモンでも出している気がする」

鳥居「なんかさー・・・衣宇ちゃんや紅末ちゃんは美人だー!可愛い!付き合いたい・・って思うけど、四谷に対してはヤリたいって見ちゃうんだよなあ」

二繁「でも、あいつは性格歪んだ男だったんだろ。」

宇喜多「だったら、鳥居君は四谷じゃなく新堂さんを襲ったらどうなんですか?」

鳥居「うう・・・さすがに衣宇ちゃんはレイプしたら嫌われそう。二度と口を聞かないとかいいそうだし」

宇喜多「以外にヘタれなんですね」

鳥居「と言うわけで、今から四谷の部屋に行くぞ。野郎ども!ついてこい!」


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