第1話 異世界転移からの帰還。
俺たちがクエストをクリアし、異世界から帰った時、現実世界は、地球的大規模な パンデミックが起きていた。
某国が蝙蝠のウイルスを生物兵器として転用しようと研究していたが、それが研究所からウイルスが漏れ出した。
動物実験で使う蝙蝠を、研究員が小遣い欲しさに近くの海鮮市場に売り出してしまったのだ。蝙蝠を食べる習慣がある某国・・たちまち市内全域にウイルスが広がり、ある医者がパンデミックになる恐れがあると警告したが、その医者はたちまち治安当局に「デマを振りまいた」と逮捕された。その医者は既にウイルスに感染しており、そして碌な治療も受けられないまま死亡した。
共産党一党独裁だった某国は、情報統制をおこない、WHOの幹部を買収し、緊急事態宣言の発令を妨害した。多くのウイルス保菌者が世界中に散らばり、そこでウイルスをまき散らしていった。
当初は誰もが世界的流行にはならないだろうと言っていたが、楽観論は外れ、人類にとって100年ぶりの世界的なパンデミックに発展した。
結論から言うと、コロナウイルスは感染力は高いが、致死率は低く、死亡する人も基礎疾患を持った高齢者が殆どだった。
しかし、世界中のマスコミは事態を大袈裟に報道し、10代の交通事故の死亡者でさえ、PCR検査で陽性反応になったら『コロナで10代が死んだ』と叫び続けた。
イギリスやアメリカなど大国はロックダウンを発動し人や物の流れは急速に衰えた。
貧富の差はさらに拡大し、アフガニスタンでは反政府組織タリバンが軍事力で政権を倒し、排他的、女性の権利を認めない新政権を打ち立てた。
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