第31話─駅のホーム14─
「如月」
「…なんだ」
「…向こうは、やばそうだな」
「…だからと言ってこちらから手出しできることはない。訓練を続けよう…と思ったが、どうやら来客のようだな」
俺が滅多に見たことがない成金の悪趣味みたいな金色の電車がホームに乗り入れた
そこから出てきたのは赤髪を持つ少女だ。俺は会うのが2回目になる
「どうした、
「「この人が!?」」
「む、失礼だね君たち。特に夜斗に至っては知ってるでしょーが!」
馴れ馴れしく主の頭を軽く叩くアマテラス
そう、あの悪趣味な電車は神界から来るものだ
「…え?ま、まさか
「だいせーかい!久しぶりだね」
天音とは?
まさか人間界に降りたことあるのかこの駄女神
「…主よ、どういうことだ」
「あ、ああ…。霊斗に吸血鬼の因子を埋め込むときに会ったんだよ」
話をまとめると、主と霊斗の共通の趣味であるラノベがあるらしい
そのラノベの2次創作として主と霊斗はそれぞれ小説を書いており、その登場人物がその「天音」
そして天音はアマテラスとしての力を有していると記載したところ、実際のアマテラスに反映されてしまったようだ
まぁ、神界と呼んではいるがそこにいる神は人間界の影響をよく受ける。それが主や霊斗クラスの力を持つものなら尚更か
「天音、なんでこんなところに?」
「ちょい嫌な予感がしてさ。霊くん、生きてる?」
「…まぁ今のところは?純恋って知ってるか?」
「一応夜斗を通して見てたから知ってるよ。っていうか元カノでしょ、霊くんの」
「あいつが悪魔だったらしい」
「知ってるよ。それはもう昔っからだし」
「知ってたのかよ。つか俺を通して見てた…?」
「私…というかアマテラスが天音として覚醒したのは5年前だけど、その時にできたリンクは夜斗とのものだったんだよね。だから夜斗を経由して霊くんの中にいたの。で、彼女できたじゃん?だから暇だし神界にいたの」
…なんかよくわからんかったがよくわからんな
つまり、霊斗が書く小説の設定として存在していた「天音」を使って霊斗を吸血鬼化させた
天音はアマテラスの力を持っていたから神界のアマテラスと融合した
そして天音は主を経由して霊斗の中で過ごしていた、ということか?
そういうことにしよう
「だからね、夜斗。面白いことを考えついたの」
「…乗ってやる」
主は天音の耳打ちに不敵に笑い、小娘を呼びつけた
そして俺にその「面白いこと」を話すのだった
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